🔴富山大学大学院 の「特別授業」(子どものための学級づくり)から

「学級づくり」は、「授業」を通して行うもの

旧友(砺波市立出町中学校時代の元同僚・西島健史 富山大学教授)からの依頼で、富山大学大学院で「特別授業」をしてきました。富山大学に用があるときは、車で行っていたのですが、今回は富山駅からライトレール(路面電車)で約15分かけて大学まで向かいました。

西島氏は砺波市立出町中学校の校長を退職後、富山大学の教職大学院に転職されました。彼が校長をしておられた間、私はよく中3(6クラス)のキャリア教育(講演)や校内研修に呼ばれていました。西島先生は、今、富山大学の教授という立場で、教育学部が今、真摯に取り組んでいるプロジェクトについてニコニコしながら、しかし力強く語られたのが次の内容でした。

富山大学大学院教職実践開発研究科(教職大学院)は、1学年の定員が14名(富山県派遣の現職教員10名、一般入試4名)です。現職教員(小・中・高・特支)もストレートマスター(大学からそのまま大学院に進学)も一緒になって学んでおり、両者の関係がとてもよく、双方にプラスとなっています。富山県教育委員会との緊密な連携も特色で、1年次学生は、富山県総合教育センターの3つの部が行う調査研究事業の研究協力校を実習校として、毎週水曜日の1日を過ごしています。富山県教育委員会にとっても、実習校にとっても、そして院生にとってもメリットが大きく、Win-Winの関係となっています。この形態は、他の教職大学院にはないものといえるでしょう。今、教育学部では、富山県のスクールリーダーの養成を目指しており、院生は、講義や実習はもちろんのこと、いろいろな自主的な活動に取り組んだりしながら毎日を過ごしています。また、様々な方との出会いも大切にしています。通常に勤務しているだけでは出会えないような様々な方との関わりを大切にし、その出会いを主体的に生かしながら学びを進めています。

今回、いただいたテーマは、「子どものための学級づくり」です。小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の先生、そしてストレート・マスター(大学からそのまま大学院へ進学)の方が対象でした。

力をつけるには、「正しい指導」が必要です。それは、教師が「正しい」と思い込んでいる指導(主に自分が受けてきた授業)ではありません。大学で、学習指導要領でねらっていることを学生たちに説明した後、中高の授業はどうであったかと聞いてみたところ、授業後に次のようなメール(レス)がありました。

「正しい」とはどういうことでしょう。正しい指導と自己流の指導はどこが違うのでしょう。後者は、自分勝手な「思い込み」と自分の「都合」があります。主に、それは、肝心なことが抜けているということであり、できるだけやり方を変えたくないという思いです。これがあると「正しい学び」にはなりません。

院生の方に、「正しい」とは一体どんなことか、次のスライドの青字の部分をマスキングにして考えてもらいました。1)と2)はすぐに出てきましたが、3)の視点をご紹介すると、多くの方がハッとされたようでした。続いて、「終わりのチャイムが鳴った時に、『えっ、もう?』という声が出るのはどんな授業ですか?」と尋ねました。話し合いの後、「技能教科」だという意見が出されました。

技能教科は、単元のゴール(最終地点)が明確であり、それに向かって、学習者は取り組んでいます。自分ごとになっているため、時間を忘れて集中しているのです。そこで、私は大学で教えていた時、学生からもらったメールを一覧にしたもの(AとBの両面に印刷されたもの)を配布し、ペアでそれぞれを読んでいただき、知りたいと思った箇所に下線を引き、どうしてそのような感想が出てくるのかを想像してもらいました。

https://nakayoh.jp/wp-content/uploads/2024/06/資料(富山大学大学院).pdf

読まれてお分かりのように、授業では「内発的動機づけ」と「なるほど!(という納得感)」を引き出すために、できるだけ身近なこと、学生たちが経験として持っていることに繋げ、説明をできるだけ省き、問いかけ「気づける」ようにしました。元視学官の直山木綿子氏、新しく小学校の教科調査官に赴任された早川優子氏も書いておられる『「プロ教師」に学ぶ真のアクティブ・ラーニング』(開隆堂出版)に書いた「脳が働くメカニズム」を活かして迫りました。

テーマは「学級づくり」でした。ベースになるのは人間関係作りです。多くの教師は、クラスの居心地を良くすることに腐心し、それができたら授業が成立するという考えの方は多いのではないかと思います。すると、授業を魅力的にするよりも、フレンドリーな、またはなるべく叱らない、ぎくしゃくしない関係を目指そうとするようになります。

学級づくりと授業とは「別のチャンネル」という考えの方は、同じように、授業と生徒指導は「別」と考えます。問題行動があればそれに教師が対応し、解決をしていくことを「生徒指導」と考えているからです。しかし、問題行動に適切に対応するのは「生活指導」であって、「生徒指導」ではありません。本来の生徒指導とは、個々の生徒が自己実現できるようにすることです。だとしたら、授業と生徒指導は切り離せない関係にあることがわかります。授業の中でプラスの生徒指導をする、それが「学級づくり」です。

生徒の心は空のコップです。どの子もワクワクするような授業を展開し、子どもたちが家に帰って食卓の話題で「ね、聞いて。今日ね、英語の授業でこんなことを聞いたんだよ」とか「ね?知ってた?鉛筆のHBの意味、Hはハード、固いって意味、じゃ、Bは? わからない? 答えはね ブラック!」と言うようなことを楽しそうに家族に伝える。それが、プラスの生徒指導です。

このような授業をしている限り、学級は荒れません。保護者からクレームが来ることもありません。コップは上を向いているので、どんどん情報が入ってきます。それが満たされていくに従い、信頼度も高まります。

一方、プリントが多い授業、スライドを使って説明する授業、子どもたちが自己決定するのではなく、課題(全員がすること)を教師の方で決めている授業では、コップは横になっています。時計を見ながら、テスト、または成績のため(忖度で)「仕方なく」聞いています。

さらに、教師が自分の指導でミスがあった場合、謝らずに、言い訳をしたり、生徒のせいにしたり、または自己弁護をしたりすると、コップは完全に逆さになってしまいます。 こうなると、心はどんどん荒んでいきます。授業がワクワクするとは、教師がダジャレを言うとか、面白いことを言うのとは違います。ワクワク感は、「へえ、そうなんだ」と新しいことを自分で見つけた(気づいた)とき、自分が昨日よりも成長していることを実感できたときです。

単元の最後に「何ができるようになっているか」を伝えられるか

ハリーポッターの作者は、第7巻(最終巻)から書き始め、それを誰にもわからないように金庫に入れ、それから第6巻、第5巻を書いていきました。だからこそ、どんでん返しや巻を跨いだ「つながり」(伏線回収)ができたのです。次の絵は、尾形光琳の「杜若屏風絵」です。左が画集に載っているもの(屏風を倒して平らな状態にして写真を撮ったもの)で、右側は実際の屏風絵です。果たして、カキツバタが生き生きとして見えるのはどっちでしょうか。

尾形光琳は、途中で何度も、屏風に途中まで描いた絵を貼り付け、特に屏風が山になっている部分、谷になっている部分がどんなふうに見えるかを確認しながら描いたそうです。だから、生き生きと見えるのです。

私たち教師も、技能教科のように、「単元の最後は何ができるようになっていればいいのか」を最初に生徒に伝え、かつ途中で確認をしながら、終末に向かっていく。そして、最後はそれが本当にできるようになったかどうかを自分で確かめるパフォーマンステストを用意することが大切です。安易に単元末に小テストを使うと、「知識・理解(技能ではなく)」ばかりになってしまう危険性があります。

学校で優先しなければならないのは、子どもたちに「力をつけること」であり、行事を成功させることではありません。行事がうまくいかないことで、逆に子どもたちがそこから学んだ教訓を次の行事に行かせる、そのためにはすべて教師がお膳立てをする、教師が出しゃばってやってしまうのではなく、我慢して待ったり、問題に気づけないときに教師が説明したりせずに、最後の振り返りでハッとさせなければなりません。つまり、下の楕円の中に書かれているように、1年間の学校行事、学年行事を通して「育てたい力」を教師全員が理解し、教師が説明する、教師が仕上げることを「御法度」とすることが大事です。

さて、ここに4本のペットボトルがあります。1本選ぶとしたらどれを選びますか。

あれ、ラベルがなくなりましたね。どうしますか。選べますか? いや、それ以上に不安になりませんか。では、ラベルってどんな役割があるのでしょう。

一般的に、ラベルには、賞味(消費)期限、原材料、栄養成分、保存方法、製造者、販売者などが書いてあります。消費者はそれを確認して購入しています。つまり、ラベルは万人が同じ認識を持つオリジナリティ、安心、信頼のもとになっています。

では、もう一度お聞きします。あなたの学校のラベル、あなたの授業のラベルとはなんでしょうか。どの生徒も、そして地域の人たちが「あの学校では・・」「あの先生の授業を受けると・・」と異口同音にいうのが「ラベル」です。そのラベル(多くは「校訓」)を作るために、教職員はワン・チームで日々努力をするのではないでしょうか。

それって「主体的」、それとも「自主的」?

自分が「違い」や「定義」をきちんと説明できないまま、日々「だいたいこんな感じかな」という曖昧な気持ちで教科書を教えているとしたら、学習者は「納得」しないまま聞いています。それは、理解しないまま、板書をノートに書き写しているのと同じ状況です。

教師が決めたこと、教師が考えた課題、教師がコントロールしていること、それはすべて「決まっていること」です。ですから、どんなに生徒が一生懸命にやっていても、それは「自主的」と評価されます。「主体的」とは、Learner makes a choice. (学習者がやることを決める、内容を考える、計画を立てる)ということです。

教師が仕切っている限り、「主体的な学習者」は育たず、指示待ち(依存的な姿勢)では、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の往還は起こり得ません。

「知識・理解」と「知識・技能」の違いは明確です。実際に理解をして使えているかどうかが確認できることが「知識・技能」です。では、「思考・判断・表現」はどうなるのでしょうか。次の絵を見てください。目的がある、場面や状況がある、つまり一人ひとりの子どもが自分が調べたいことを考え、それを調査して、発表する、そこに習った言語形式を使う。それが「思考・判断・表現」です。

ですから、テストの設問で、教師が「使う言語材料、語彙を指定する」「これを指示されたように答えなさい」というのは、すべて「知識・技能」です。なぜなら、生徒が選んでいないからです。

たとえば、「読解の問題で A と B の対立する考えが書かれています。これを読み、あなたはどちらを支持しますか。その理由と根拠を英文の中から抜き出して説明しなさい」という問題であれば、「自己選択(自己決定)」となりますから、「思考・判断・表現」になります。

教師が、それを正しく判断する根拠は、教科書では手に入りません。教科書には「教える事象」しか出てきません。なぜ、それを教えるのか、どんな力をつけるためなのか、については「学習指導要領」を読まないとわからないのです。つまり、学習指導要領を読まずに授業をしている(教科書をただ説明している)という場合、「無免許運転」をしている(道路交通法を知らない)ということになります。ちょっと極端ですが・・・。

続いて、自分の学習指導案を「可視化」していきます。教師が中心になって指導をしているところは「赤色」の付箋紙を貼ります。個人で活動(考える、書く、個人練習など)をしているところは「黄色」の付箋紙を貼り、仲間と関わっている(ペア、グループ)ところは「緑色」の付箋紙を貼ります。

これによって、自分の授業スタイルが一目でわかります。赤色が多いのは、講演(説明)型の授業であり、生徒はなかなか集中力が続きません。黄色が多い授業は、個人差がどんどん広がってしまい、定着させる指導ができにくくなります。そして、緑色が多い授業は、最も危険なタイプで、「活動あって指導なし」(間違いが多く、学力が高まらない)となります。

時間が足りなくなるのは、余計な活動、さらには教師がくどくどと話す時間が長いからです。その結果、単元の最後のタスク(活用の言語活動)を平気でパスしてしまうようになることです。それに慣れてしまうと、教科書の著者たちが考えている全体計画がぐちゃぐちゃになってしまいます。

基本的に「緑色」の前には「黄色」(まず、自分で考える)が来ます。そして、「緑色」の後には、きちんと教師が学習を意味づける(定着させる)ための「赤色」を用意します。授業の最後の「緑色」はNGです。学んだことを整理できないまま終わります。パソコンで学習指導案を作る前に、トランプ大のカードを5枚用意します。1枚が10分です。ただし、メインの活動のところには、別に2枚のカードを用意し、早く終わった生徒に対する次の一手、理解に時間がかかる生徒向けに「ヒントカード(どこに戻るかを示唆)」を用意するといった活動も考えておきます。

学級づくりのベースとなるのは、それぞれの場面での「学習者の心理」を考えてみることです。たとえば、次の3つのスライドは、ワクワクする授業(居心地の良さを感じる学級づくり)には欠かせません。

私は、このように講座では、「授業は学級づくり」という視座でお話をしました。なぜなら、授業でワクワクさせない教師が生徒から信頼されることはないからです。学校は、授業で成り立っています。一日に5時間も6時間もある授業がずっと受け身で教師の話を聞かされるものなら、ストレスフルな学校になるからです。不登校は決して学習不適応ばかりでなく、教師の指導への不適応も多いことを考えると、今「個別最適な学び」(学びとは学習者が自ら体験する中で獲得すること)と「協働的な学び」の往還に向かおうとしているのも大いにうなづけます。

何事も「バランス」次第

私は、以前、授業には「縦糸の指導」と「横糸の指導」が必要だということを申し上げました。つまりは、こういうことです。縦糸は「強さ」を表します。縦糸を「張る」といいます。一方、横糸は「美しさ、豊かさ」を表します。横糸は「通す」と言います。つまり、「ピンと張る、しなやかに通す」という2つの要素をバランスを考えて行うのが教育です。それは、「厳しさと暖かさの幅が広い」ということです。ダメなことはダメ、その基準が誰に対しても同じであること、そして「できるようになったこと」は具体的にそれを取り上げ、自分のことのように喜べるということです。以前、中学校で勤務していた時に、そのモデルとなる方がおられました。教頭先生でお忙しい身でありながら、部活動(バスケットボール女子)にも時々顔を出しておられました。その先生は厳しい方でしたが、一方で湯たんぽのような温もりを持った方でした。離任式の時、バスケットボール部の女子全員が目を真っ赤にして泣きじゃくっていました。さもありなんと思うと同時に、この2つの幅が狭いと「冷たさ」や「甘さ」になってしまうのだと思いました。

ものごとの最初にくるのは「縦糸を張る」仕事です。縦糸をしっかりとゆるみのないように張らないと、基準や柱を失ってしまい、横糸を美しく通すことができなくなります。縦糸の強さとは「規律」であり、ルールです。それは、教師側から must や should で与える規律(強制)ではなく、クラス全体の will や let’s を引き出し、横糸による美しさや豊かさが活かされるような「みんなのために守る規律」(納得)が望まれます。

教師がきちんとクラスをコントロールできる状況にするには、生徒たちが教師を信頼していることが大前提です。それができていなければ、たとえペア活動やグループ活動を仕組み、どこかで知った指導技術や活動を行っだとしても、「はて、こんなはずではなかった」と途中で悩むことになります。「これはあの先生だからできた」と考えてしまうのも問題があります。元はと言えば、授業マネジメント(縦糸と横糸のバランス)が悪かったことが、うまくいかなかったことの主たる原因と言えます。

講義後、受講者(院生)はどのような感想を持ったのでしょう。

現役の小学校教員

・ゴールから授業を考えるという逆算の思考を大切にしたいと思った。どのような姿を目指しているかをより具体的に考えなければいけない。また、子供たちを過小評価していないかという話は納得した。子供に任せることは大事だが適切な教師の指導が必要なことが分かった。教師側の都合で勝手に線引きをしないよう気を付けたい。

・教師は、常に単元の終わりにどんな子供たちになっていてほしいかを思い描きながら単元構想をし、授業を作り上げていかないといけないということを再認識した。tell show involve の違いや、study learnの違いについて、もっと理解したいと思えた。自主的と主体的の意味の違いについては取り違えていたので、考え直したい。またリフレクションの意味についても、今後の大学院生活において深く考えていきたい。知識技能、思考判断表現、主体的に学習に取り組む態度の3観点のセットとスパイラルの関係については、本当にしっかり学び直したいと思った。中嶋先生から学んだことの中から取り入れられることを少しでも実践していきたいと思った。ありがとうございました。

・今日は大切なことをたくさん教えていただき、ありがとうございました。特に子どもがゴールを知り、期待感をもって学べるように単元を構成することがいかに大事かを教えていただき、今後の授業に生かしていきたいと思います。

・本日の授業を受けて、授業だけでなく学級経営や行事活動等、様々な活動で通じるところあるという風に学びました。90分があっという間で、自分もそのような活動ができるようになりたいと思いました。ゴールを設定することで、イメージをもてるようにするということが、今までの視点になく、イメージをもてるようにしたあとの教師の声かけも大切であるということが改めて分かりました。子どもがあっという間に感じられるように、教師も楽しめる活動を目指していきたいです。

・中嶋先生の講義を初めて受けるので今日を楽しみにしていました。90分があっという間で講義に引き込まれていました。もっと聞きたいという気持ちでいっぱいです。今日私が夢中になったように、子供が授業に夢中になって「もっとやりたい」「もっと学びたい」という授業を展開したいと強く思いました。指導案のこと、学級経営のこと、授業はゴールから逆算して考えることなど、若手教員にも伝えていきたいです。今日は本当に学びの多い時間となりました。また、ぜひお会いしてご講演をお聞きできる機会があればありがたいです。ありがとうございました。

現役の中学校教員

社会科)・本日はありがとうございました。先生の長年の経験に裏打ちされた確かな授業づくりのポイントをお聞かせいただきありがとうございました。自分の授業について改めて分析してみると、赤の付箋が抜けていることが多く、活動ありきの授業になっていることがわかりました。「視座と視点」や「自主的と主体的」など現場で使われるような言葉でも自分自身が正しく認識していなかったことも実感できました。子供を過小評価することなくポテンシャルを信じることで伸び続けるという視点は、授業づくりでも学級経営でも大切であると思いました。講義での中嶋先生の話のトーンやテンポのよい論の展開で90分間はあっという間で濃い90分間となりました。学校現場に戻る前に自分の教科の学習指導要領を見返し、3色の付箋で分類して自分の授業改善に繋げたいです。教師も子供もワクワクするような授業づくりのためには温かな人間関係づくりも欠かせないと思います。友呂岐中の創作ダンスは圧巻でした。資料には力の生徒指導からの脱却ということ「冷たい教師」、「厳しい教師」という内容もありました。感動や感謝が生まれるようなクラスや学校になるために教員組織のよい関係づくりの大切さを改めて感じました。次年度へ向けてよい準備を教職大学院で行いたいと思います。 お忙しいところ貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

現役の高校教員

理科) ・「ゴールを逆算して授業をする」ことの大切さを学べました。ありがとうございました。単元だけでなく、生徒が卒業するときにどのような力をつけさせるのか、教師がしっかりと把握しなくてはいけないと感じました。

社会科)・終わりを思い描く、ゴールをイメージしてから行うことをまったく意識せずに授業を行っていた。つまり目的を明確に意識せずに行っていた。大事なことであることは理解していたのに実践できてなかったのは情けないと感じた。意識してやるのと意識せずにやるのでは雲泥の差であるので、今後の生活でゴールを明確に意識して生活していきたい。

現役の特別支援学校教員

・子どもが夢中になる授業を目指して作ってきたつもりでしたが、結局今までそれができたと思ったのは図工や遊びの指導くらいでした。技能教科以外でもゴールの目指す姿を期待をもって思い描けるようにすることで、また、指導案を見直して指導と活動のバランスをとることで、子どもたちのわくわく、アクティブラーニングを実践できるかもしれないと思えました。特別支援学校でのアクティブラーニングについて、これからじっくり考えたいと思います。ありがとうございました。

ストレートマスター】(大学からそのまま大学院へ

希望は中学校・社会科)・本日は貴重なお話本当にありがとうございました。子供が学びたいと思える授業づくりについて様々な観点から学ぶことができました。特に、ゴールであるどのような力をつけさせるかから逆算して授業を組むことが大切だというのが印象的だった。また、自己説明できることが理解、学びだということもとても印象的で今後、子供たちにそのような活動を仕組みたいと思いました。

希望は小学校)・冒頭のつかみによって、中嶋先生の講義に引き込まれ、あっという間に時間が過ぎていたのが驚きました。今回、ゴールという見通しをもって指導を行うことの大切さを学び、自分自身、足りていない部分はそのような教師として子どもたちに見通しをもって授業を展開しているのかという点であると自覚することができました。興味深く、大変面白かったです。本日は誠にありがとうございました。

(希望は小学校) ・本日の講義で、ピグマリオン効果の話もされていたように、「この子には難しいだろう」と教師が勝手に線引きしてしまうと、子どもが成長する可能性を奪ってしまうおそれがある。これは教師自身の成長にも同様のことがいえると考えられる。現在、ストレートマスターとして優秀な現職教員の皆さんとともに学ばせていただける時間の中で、「こんな先生になりたい」と憧れを抱くことが多い。ここで「私には無理だ」と思ってしまうと、そこから先の成長は望めないだろう。何事も、ゴールの姿を思い描いて、そこに至るためのルートを考えて進めていくことが大切になると学んだ。  ゴールに辿り着くまでの過程において意識しておきたいのは、「study」になっているか「learn」になっているかということである。時間をかけて成し遂げたことはおそらく達成感をともない「やった気」になりがちであろう。その「study」としてのプロセスに価値を見出すのではなく、その過程を経て自分は何を得られたのか、子どもにはどんな力がついたのか、すなわち「learn」という獲得した状況を見て判断することに意味がある。そこを履き違えていては、授業づくりも授業の評価も、適切に行うことができない。子どもたちにもその視点をもって普段から自らの学びを振り返り、修正して次に繋げていけるようになってほしい。この思いや視点を子どもに伝えながら、自分も意識して授業を豊かにし、学級が豊かになるような関わりをしていきたい。

他大学の准教授(小学校課程)・先生のお話を直接聞いたのは初めてだったのですが、さすが中嶋先生!の一言です。先生のプレゼン力、お話に圧倒されました。内容に関して、これまで自分が学んで実践してきたことを想起させてもらいつつ、点と点が繋がるような(まさにストーリーとして)感覚で、改めて今後の道筋を思い描くことができました。私自身、先生方にお話させていただく機会もあるのですが、中嶋先生のように受講した方々が元気にまた頑張ろうと思えるようなお話をできたらと、とても思います。(プレゼンのコツについてはセミナーなどて教えていらっしゃらないのですか?)「階層式マッピング」についても、アルクの資料を拝見いたしました。生徒たちの思考を一旦取り出して、可視化して整理し、発話に繋げるというアイディアに共感してます。マッピングとマンダラートを組み合わせて、中学生でも取り組みやすい形で示されていること、内容を深める、繋げるといった感覚を子どもたちが、このツールを通して獲得していけることを考えると、授業での応用範囲はまだまだ広がりそうですね。今年度は無理かもしれませんが、近い未来に先生のお話を私の教えている学生たちにもお願いできたらと考えております。

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この記事を書いた人

英語 "わくわく授業" 研究所 代表(元関西外国語大学教授)
(公財)日本英語検定協会派遣講師・(株)リンク・インタラック エグゼキュティブ・コンサルタント