授業で目指すことは、学習指導要領の目標を達成すること、「3観点」の力を確実に身につけることであり、教科書を終わることではない。
治療編の最終回では、3人の先生方が掴み取られた「授業を改善する原理・原則」をそれぞれの「総括」という形でご紹介し、それを受けて、私からは「生徒主体で知識も技能も高まる授業」をどう仕組めば良いかという点で、配慮すること、指導すべきことを述べてみたいと思います。まずは、3人の先生の総括からです。
◆ 矢野先生(1日目、柏原中学校1年)ご自身の総括から
①単元をゴールから逆算することで分かったこと
以前は、毎時間が自転車操業で、思いつきで授業をしていました。生徒に力がつくことは、プリントのかっこ埋めができることと同義でした。しかし、バックワードデザインで授業づくりをすることで、教師も生徒も自分の頭の中に目指すべき具体像を持てるようになりました。その結果、教師は単元の中での軽重を見極め、どこに時間をかければよいか考えるようになりました。また、生徒にとっては、一つ一つの活動がゴールに繋がるものとして意味づけされ、目的意識を持って主体的に活動に取り組むことに結び付きました。
②のりしろを意識した授業づくりで気づいたこと
前までは、文法・本文・文法・本文の繰り返しで、教師・生徒ともにワクワク感を持てませんでした。しかし、のりしろを意識した授業づくりをすることで、授業前の休み時間に生徒たちが輪になって自ら復習を行ったり、前時に欠席していたペアの相手に内容を教えたりする姿が見られるようになりました。のりしろによって、次時の内容を具体的にイメージすることができ、その結果、自分に必要なことを考えることに留まらず、協働することにも意識が向いたように感じます。
③TTの指導案を「餅つき」のように変えたことで気づいたこと
当初、JTEとNSが交互に会話すれば「餅つき」になると考えていました。スクリプトを作り、丸暗記して喋っていました。しかし、そのような予定調和なTeacher Talkでは、生徒の心は動かないことに気づかされました。「餅つき」は自然なインタラクションであるべきだと。一方が話しているときは、もう一方が生徒の様子をよく観察し、生徒の反応がよいときはその話題を深堀するなど、臨機応変に対応し、生徒を巻き込んでいくことができるようになりました。
④NSとの関係が変わったのはなぜか
相手のことをよく知ろうと努めたことが大きかったと思います。それまで、NSは都合の良い道具だと心のどこかで思っていました。それが、何度も会話を重ねる中で、NSは同じ一人の人間であり、co-workerであるとリスペクトを持って接するようになっていきました。会話の中でゴールを共有し、お互いに意見を出し合い、協働が始まりました。JTEとNSそれぞれが持つ強みを活かしていくうちに、お互いにTT授業に自分の役割を見出し、comfortableで楽しみなものに変わっていきました。
⑤その他
生徒を鍛えるには、負荷をかけることが大切だと学びました。以前までは、話す活動の際、手にノートやワークシートを持って、それを見ながら話させていました。しかし、インタビューマッピングなどを通して、正しい指導で負荷をかけることで、教師も生徒も「そんなことできるわけない」から「やればできた」に変わっていきました。中嶋先生がおっしゃったように「浮き輪を外した状態」を常にイメージすることの大切さを身をもって感じました。
◆ 阿南先生(2日目、城香中学校2年)ご自身の総括から
1)単元をゴールから逆算することでわかったこと
「単元のゴールから逆算しないといけない」と思いながら、悶々と公開授業の単元計画を考えていました。ですが,一つの単元について考えている途中で「これだと,この単元だけ独立した内容になりはしないか?」と思うようになりました。その疑問から,卒業時の生徒の姿を考え,3年生の全ての単元で行うことを書き起こすことから始めました。その後,今教えている2年生では「3年生の姿からどのような力をつける必要があるか」を考えて,今回の公開授業までの単元内容を逆算しました。
そもそも、卒業時の姿について「受験合格の力がついていればいい」くらいの浅さでしか考えていなかったのですが,今回をきっかけに「どんな生徒を育てたいのか」を見つめ直しました。その答えが「自分の意見をもつことができる学習者の育成」でした。単元のゴールを逆算するためには,目的となるゴールが明確に存在しないと逆算することすらできません。卒業時に生徒に臨む姿を教師が描けていれば,虫の目で単元を見るだけでなく,鳥の目でも広く各単元を見通すことができます。毎日自転車操業で授業を考えていた半年前の私と比べると,「何をすべきか」が明確になったため、見通しをもって今は準備を行うことができるようになりました。その結果,教科書に追われることなく、指導に軽重をつけることが少しずつできるようになってきています。
2)のりしろを意識した授業づくりで気づいたこと
実は、この「のりしろ」の答えに気づいたのは公開授業が終わった後の協議会でした。中嶋先生から「あれはのりしろではないよ」と言われ,その後 After 版の指導案を NS と共に考えてみました。Before 版の指導案には「もう一時間練習を行うことを知らせ、生徒がこだわりをもってプレゼンテーションに臨めるようにする」ということしか書いておらず,実際の公開授業のときも書いてあることを伝えて授業は終わりました。ですが,それでは生徒は「次の時間に何をするのかわからない」ため,本来の「のりしろ」の目的には沿わなかったと考えます。簡単に言うと,次の時間が気になってワクワクした状態ではなかったということです。
そこで NS と考えた After版の指導案には本時の「のりしろ」について「NS の両親からの英文の手紙(福岡旅行をとても楽しみ にしている)を見せ、生徒がこだわりをもってプレゼンテーションに臨めるように、あと1時間練習の時間があることを伝える」に変更しました。きっとこの手紙の内容を伝えなくても,フィリピンから送られたエアメールを見せるだけで生徒は次時へのやる気を見せたのではないかと思います。
全ての時間の終わりの「のりしろ」のエアメールを用意するといった凝ったことは難しいとは思いますが,「続きは webで」(ツァイガルニク効果)のように生徒が、次の時間が気になるように「伝える」こと、もしくは「未完成のままモヤモヤして授業を終わらせる」ことはできると、今なら思えます。
3)TT の指導案を「餅つき」のように変えたことで気づいたこと
餅つきの「つき手,返し手の阿吽の呼吸が必要」と最初に中嶋先生から言われたことが、今も印象に残っています。私以外の2人(上野先生・矢野先生)と指導案について話していた際にも,「JTE と NS の活動がインタラクティブになるのは今まであまり考えてこなかったね」という話になりました。NS と「一緒にする」というのはよくあるのですが,NS と「交互にやり取りする」というのは,事前に具体的な話を NS としない限り実現しないからこそ、3人とも発想することができなかったのだと考えます。
実際にNSとのTTを餅つきのように実施してみると「授業中に生徒の様子を JTE に伝えるようになったこと」や「JTE の説明に英語で補足をしてくれること」が増えました。まさか,授業中に簡単な打ち合わせを行うようになるとは思いもしませんでした。
4)NS との関係が変わったのは何故か
1)で述べた卒業時のゴールと2年生修了時のゴールを共有したことが一番のきっかけだと考えています。「ゴールを達成するために,この単元では〇〇といったパフォーマンス課題に取り組みたい」と NS に伝えたら,今回の公開授業後にも生徒たちに向けた手紙を用意してくれました。「何をすればいいか」というEnd が明確になると NS も様々なことに気を利かせてくれます。このように目的を共有することがNSとの関係を変えることにつながるのだとわかりました。
今は、中嶋先生が『英語好きにする授業マネジメント30の技』や『英語の歌で英語好きにするハヤ技30』(いずれも明治図書)で書かれたように、3年間の歌のシラバスを作るために,NS とどの曲にしようか話し合っています。すると、それぞれの文法が含まれた曲や行事に合った曲を見つけてきてくれます。このように目的と成果物を共有したことにより、一緒に考える機会が増え、今ではとても楽しいし、パートナーとして心強いです。
◆ 上野先生(3日目、博多中学校3年)ご自身の総括から
① 単元をゴールから逆算することでわかったこと
単元のゴールを明確にすることで、授業全体の流れをより論理的に構築することができました。従来は、個々の活動が独立しているように感じることがありましたが、ゴールから逆算することで、「この活動はどのように最終的なアウトプットにつながるのか」を明確に意識できました。その結果、生徒が見通しをもって学習できるだけでなく、生徒自身で学習を自己調整できているイメージでした。生徒の学習意欲も向上し、活動の目的を理解した上で取り組む姿勢が見られました。
② 「のりしろ」を意識した授業づくりで気づいたこと
活動と活動のつながり(のりしろ)を意識することで、生徒がスムーズに次の学習に移行できるようになりました。例えば、ウォームアップ活動やスモールトークをその後の活動につなげる設計にすることで、学習の定着が促進されました。また、NSとの連携においても、次のアクティビティの意図を共有しやすくなり、指導がより円滑になりました。
③ TTの指導案を「餅つき」のように変えたことで気づいたこと
日本人教師とNSが交互に指導を行う「餅つき」のようなスタイルを取り入れたことで、それぞれの強みを活かしながらテンポよく授業を進めることができました。従来は、一方が説明をしてもう一方がサポートに回ることが多かったのですが、役割をより明確に分担し、お互いにリズムよく進めることで、生徒の集中力が維持されやすくなりました。また、NSの話す英語が生徒にとって「聞いて終わり」ではなく、次の活動への流れを作る役割を果たすようになりました。これにより、自然なインタラクションが生まれ、授業にライブ感が生まれました。その結果、生徒がより主体的に英語を使う場面が増え、学習の定着も高まったと感じます。
④ NS との関係が変わったのは何故か
学習指導案の設計を工夫したことで、日本人教師とNSの役割分担が明確になり、より対等な関係(co-worker)で授業を進められるようになりました。事前の打ち合わせを密に行い、各自の強みを活かす形で指導に臨んだことで、お互いに協力しながら授業を作る意識が高まりました。また、授業終わりのお互いのフィードバックを増やしたことで、コミュニケーションが円滑になり、より良い関係性が築けたと感じています。また、二人で1つのものを作っている気がしてとても授業を楽しんでいました。
⑤ その他
今回の公開授業を通じて、生徒の英語に対する意欲の向上も見られました。特に、活動と活動のつながりを意識することで、生徒が「次に何をするのか」が分かりやすくなり、主体的に取り組む場面が増えました。また、NSの関わり方が変わることで、生徒が自然な英語に触れる機会が増え、コミュニケーションに対する抵抗感が減ったように感じます。
今後の課題としては、より細かい部分での役割分担の調整や、個々の生徒へのフィードバックの質を高めることが挙げられます。今回の気づきを活かし、さらに効果的なTT授業を目指していきたいです。また、ジェスチャーやボディランゲージが上手なNSの活用を私が見落としていたことがありました。そこを次に生かします。
TT授業が3ヶ月で変わった5つの要素とは
3人の総括は、3ヶ月前とは比べものにならないほど深く洞察できるようになっていると感心しました。それは、彼らが述べている通り、「つながり」がキーワードとなります。ただ、もっとTT授業をワクワクさせることが可能です。そこで、本人たちが気づいていないこと(原理、指導の裏に隠れていること)を解説してみたいと思います。
彼らの授業が大きく変わったのは、何より、3人の「心・技・体」のバランスがよくなったからです。それまでは、どちらかというと「技>体>心」の授業であったように思います。「心・技・体」は、スポーツにおいて、主に柔道、剣道、弓道、相撲道など、日本古来の伝統武芸を語るときに使われます。最近は、海外で活躍する日本のスポーツ選手を紹介するネット記事を読むと「Bushi-do, Samurai, Nadeshiko Japan」とか「Spirits」などの表現を見かけることがあります。
3つの漢字の順序には意味があり、「心」が最初に来ているのは「精神力」を高めること、「相手を敬う気持ち」を持つことが最も重要であるからです。スポーツ界では、Los Angeles Dodgersの大谷翔平選手、イチロー選手などのように、一流と言われている人は、インタビューのやり取りに見られる「信念」「機知」「機微の聡さ」などから「人間性」の深さを感じさせる人が多いように思います。
授業も同じです。まずは、自身の「教育理念」(何のために教師になったのか)を確立し、「生徒理解」(生徒を過小評価せず、ありのまま受け入れる)を日々の授業のベースに置くことが全ての根幹となります。それが薄いと、授業で「人格形成」をすることはできません。
「技」は「テクニック」ではなく「基礎基本を会得し、自分なりに応用できること」です。授業では、自身の経験とエビデンスに基づいた「正しい指導」と置き換えることができます。
「体」は「体力」や「健康」を意味しますが、授業では英語教師としての商品価値を決定する「自身の英語力」(4技能の力+専門性の高さ)と言えるでしょう。また、自分自身の授業を「客観視」できる力(定期検診である公開授業をすることにより、望ましい授業かどうかを判断する力)だとも考えられます。
以下、3人の授業を複数回拝見し、メールのやり取りを行い、オンラインで悩み相談などを行ったりした結果、2月の時点で「変化」が見られるようになったのは次の5つです。それぞれ「心・技・体」に分けて説明します。
【心】
⑴ 授業そのものの「概念」を変えた
・「教科書を教える授業」から、「英語でワクワクする授業」にシフトされた。
・ 教師の「説明」中心のスタイルから生徒の「気づき」を誘発するため、teacher talkや言語材料の提示などで問いかける場面、インタラクションをとる機会が多くなった。
・3人が「同志」となり、「よい授業」とは何かを追求した。頻繁にオンラインでつながり、情報交換を行い、励まし合い、刺激を与えあった。(年齢による序列を作らず、うまくいった仲間の実践は、自分のことのように喜んだ)
⑵ NS(ALT)に寄り添うようになった
・ 相手に対する関心が高まり、情報が手に入るとどうそれを授業に活かせばよいかを考えるようになった。
・ 授業前の打ち合わせよりも授業後の反省、改善点を話し合うようになり、育てたい子ども像、つけたい力を共有できるようになった。
【技】
⑶ 学習指導要領を丁寧に読み解いた
・公開授業(研究授業)のために学習指導案を書くことになり、そこで学習指導要領に書かれていることを意味づける必然性が生まれた。今までなんとなく指導していたことにどんな意味があるかを理解できるようになった。
・今まで無頓着だった場面の必然性、目的(何のために、誰に向けて)や評価(最後はどう見取れば良いか) について考えるようになった。
・単元を一つのまとまりとして考え、令和型学習指導案(ゴールから逆算)に取り組んだ。最後のシーンから考えることで、指導が思いつきではなく、筋が通るようになった。
⑷ 自己流を「正しい指導」に変えた
・今までは、プリントやスライドを用意するのが教材研究だと考えていたが、自ら思考する機会を増やし、自律的学習者(自己肯定感の高い学習者)を育てるために教科書のタスクをどうカスタマイズすればよいかを考えるようになった。
・「自己流」だった思考ツールの指導を「正しい指導」に変えた。
【体】
⑸ 自分の使う英語をより質の高いものにしようとした。
・単語の「定義」(definition)や正しい発音・ストレスを事前に確認したり、生徒がイメージしにくい単語をどう rephrase(簡単な単語で言い換える)すれば良いかをNSに尋ねたりするようになった。
・non-verbal communicationを大切にするようになり、豊かな表情、ジェスチャーを使って表現することが格段に多くなった。
付随して変わってきた指導(生徒の力を伸ばす「正しい指導」)
3人は、今までの授業(2024年10月まで)で、ワークシートやタブレット端末を見ながら活動をしていることを「浮き輪を使った学習」であると指摘されことを大いに反省し、次のことに取り組まれました。ただ、3人が3人とも全てをされたわけではなく、それぞれが自分にできそうなことを選んで挑戦されました。大事なのは「今の授業を変えたい」「生徒に力をつけてやりたい」と本気で考えられるかどうかです。さて、皆さんの授業で「できていること」はどれとどれでしょうか。
① 入力(説明)中心の授業から、「自分ごと」になる出力を取り入れた授業にした
- 入力(教え込み)中心では、どうしても生徒を過小評価してしまう(無理だろう、できないのでは?)が、出力の機会を作ったことで、生徒の感性やポテンシャルに驚くことが出てきた。以後、課題の自由度を高め、彼らが自己決定する部分を増やした。
② NSに対して自分の方から心を開き、授業につながる情報を集めようとした
* 日本人教師だけで考え、依頼や指示をするTTではなく、育てたい生徒像や成果物を共有し、共に単元計画を練った。
* 単元のトピックやタスクをNS(ALT)の特質、特技、専門性、関心などとつなげた。
③ テキストに出ている基本文(target sentence)の高速自動化(英文→日本文、日本文→英文)ができるまで、ペアで徹底的に練習した。
* 90秒間でいくつ答えられたか、その数をペアで合計して折れ線グラフに書き込んでいく。(このように協働の取り組みにすると、休み時間も一生懸命に個人練習するようになる)
* 用意したのは、山折(A4判)の左側に日本文、右側に英文を書いたワークシート
* 生徒は、日本語を「生活言語(生徒が日常よく使う言い方、方言)」で言うルール
例)あなたは何をしているところですか → 「なんばしよっとね?」(福岡)あなたは何をしたいのですか → 「で、何したいねん?」(大阪)さあ、食べよう → 「か、け!」(岩手)今日は日曜日だったよね → 「今日は日曜日だべ?」(北海道)それを聞いてとても嬉しい → 「それ聞いてとてもうれぴよ」(若者ことば)
* 普段使っている言葉であれば、よりイメージが湧きやすいので定着も早くなる
* 単元の最後に、ノルマのように本文暗記型の retelling をしていたことをやめ、基本文を自分なりに編集して話したり、書いたりする活動に切り替えたところ定着が早まった。
④ 書く指導において、豊かな文脈を意識できるようにした
* 淡白な内容、つながりのない文章を自分でリニューアルできるように、「つなぎことば」(discourse markers)を使って情報を付け足す練習を日常化させた。
⑤ 具体的なイメージを与えるために、実物を見せながら(使いながら)teacher talkをした
* 途中で、何度もクラス全体に知っているかどうか、どう思うかなどと聞いて巻き込んだ。teacher talkでは、できるだけ問題提起できるようなトピックを用意し、最後は What do you think? / How do you feel?
/ Do you agree or not? のようにクラス全体に問いかけた。
⑥ natural speed の会話を聞き取れるように、教科書の本文などで「チャンキング」を指導した
* チャンクはできるだけ natural speed で読み、チャンクとチャンクの間は1秒程度の「間」をとり、即聴即解ができるように訓練した。
* shadowing で終わらず、一気記憶できる語数(7語±1語の長さ)を一気に読み、それを何も見ずに聞いた後、意味を考えながらrepeating する指導を行った。
⑦ 思考ツール(自由マンダラート、階層式マッピング、探究コーラルマップ)をNSと一緒に使い、生徒がイメージしながら情報を整理したり、考えを形成したりした。
* 教科書を教え込む授業の弱点(技能が身についていない)に気付き、NSと共に「技能」を高め、「思考・判断・表現」の力を鍛える「思考ツール」(自由マンダラート、階層式マッピング、インタビュー・マッピン グ、探究コーラル・マップ)に本気で取り組んだ。
❶ マンダラートは、基本的には9つマスの中心にキーワードをいれ、そこから連想する単語を周りに書いていくというものです。 ただ、目的に応じて、次のように自由に数を設定することができます。


全ては最初の全体構想次第です。生徒は、このように最初の段階でテーマから「連想する(広げる)」という作業をしていないから、まとまったことが書けないのです。さらに、周りに書いた情報を「整理」していきます。つまり、必要なもの、必要でないもの、さらにはどの順に使って中心のキーワード(テーマ)を説明すればいいのかを考えます。書き終わったら、discourse markers を使ってよりわかりやすい、豊かな文脈にしていきます。その後、グループで回し読み(peer edit)をします。仲間の書いた内容、アイデアに刺激を受け、書いた英文を無性にリニューアルしたくなります。この状況が「主体的に学習に取り組む態度」となります。
❷ インタビュー・マッピングは、通常行われるチャットやスモール・トークとは、目的が異なります。インタビューの目的は、後で誰かに伝えることです。インタビューの後でレポートを書いたり、誰かに伝えたりするためには、編集を加えなければなりません。それが、情報を整理するということです。前述のチャットやスモールトークは、基本的に即興であっても「おしゃべり」となりますが、インタビューは、内容を「深掘り」していくことが必要です。よって、きちんと相手に言ったキーワードを「メモ」に残しながら、それに関連する質問をリアルタイムで考えることができるようになります。
❸ それを有機的にしたのが 階層式マッピング です。トニー・ブザン式のマッピングでは、中心から花火のように広がっていきますが、これはブレーン・ストーミングやマンダラートと同じであり、発想を広げることが目的です。一方、階層式マッピングは、左端から右側に、階層を作るようにして広げていきます。つまり、「テーマ→カテゴリー→大きな情報→細分化された情報」のように順につながって(広がって)いくのです。
ただ、力をつけるためには「ルール」が存在します。そのルールを無視して自己流の指導をしていても、生徒が即興で話したり、まとまったことが書けたりするようにはなりません。まず、今やっておられるマッピング指導のルールを確認してみてください。

1)左端から右側に広がるマッピングになっているか
2)ノード(楕円)の中は「名詞」になっているか
* 文、動詞、形容詞は伝言ゲームになりやすい。
3)ノードの中は「日本語」になっているか
* 小中では英語で書くのはNG。綴りを調べたり、辞書を調べたりすると時間が膨大にかかってしまう。日本人は母語で考えるので、母語で書いておくとイメージしやすい。出力の時は逆に、それを高速で英語に訳すことを自動化すればよい。
4)情報を整理するために、グルーピング(幾つの大きなまとまりがあるかをペンで囲む)をしているか
5)どの順に話していくか、書いていくかをナンバリング(通し番号)しているか
6)グルーピングしたまとまりに、ラベリング(小見出しをつける)をしているか
7)誰かにその内容を話す場合、その前にイメージトレーニングとして、マッピングシートを見ずにジェスチャーをしながらレポートをする練習をしているか
* マップ(地図)は、脳に「日本語によるイメージとその場所」を紐付ける(右脳)ので「何も見ないでで きた!」という実感を与えることが大事になります。それによって、便利だと思った生徒たちが一斉に使おうとするようになるのです。教師が「使わせる」のではなく、学習者が「これなら話せる、これならまとまったことが書ける」という自信がつくように仕掛けることが肝要です。
❹ 探究コーラル・マップ(意匠権、商標登録済)は、チームでプレゼンテーションをする場合、一人がスピーチやプレゼンをする際にいくつもの要素の中から必要なものを絞り込み、論理的につながりを考えるときに役立ちます。グループメンバーが、自分が選んだ内容を責任を持って仕上げ(個別最適な学び)、その後チーム全体でまとめていきます。(協働的な学び)。リハーサルを通して、他のグループからコメント(付箋紙など)をもらうことで、よりいいもの(excellence)を求めるようになります。

ここまで読んでこられると、授業ではどのように指導すればよいか、どこから始めればいいのか、教科書の内容やテスト(筆記テストやパフォーマンステスト)とどう繋げればいいか、その段取りはどうあればいいのか、などについて知りたいという方もおられるのではないかと思います。実際、全国でこれらのツールを使い始めた小学校4年生、5年生、6年生が、即興のやり取りができるようになったという事例がたくさん報告されています。
2024年10月号の『英語教育』で特集が組まれたとき、多くの読者の方々が関心を持たれたようで、編集長さんから「バッ クナンバーが今もコンスタントに出ているという状況は前代未聞です」ということをお聞きしました。

そこで、大修館書店から、関西外大の直山木綿子教授(元 文科省視学官)との共著という形で、マッピングなどの思考ツールの使い方について詳しく説明する書籍を上梓できないかという話が出ています。企画会議に通ればということなので、まだ未定ですが、決定したらこのHPでご紹介します。その際は、10月号の内容をさらに詳しく記述し、初めて取り組む方でも「子どもたちが変わった!」「即興で話せた!」と言っていただけるような内容(具体的な指導方法)にできないかと考えています。「それまで待てない、すぐにでもやりたい」という方は『英語教育』2024.10月号のバックナンバーを手に入れていただき、そこに載っているQRコードの資料を印刷いただき、それを丁寧にお読みください。実は、本文だけ読んでもイメージできない方のために、QRコードには様々な「仕掛け」、「段取り」や「背景情報」をたくさん紹介しております。
TTとは「本時の流れ」を予定調和で考えることよりはむしろ、授業後に「改善点」を話し合うことなり。問題発見をすることで、二人の目的意識が重なり、目指したいゴール(育った子どもの姿)が共有できるようになる。
次のシートをご覧ください。何だと思われますか。

柏原中学校の矢野先生とLiamは、このようなカルテ(座席表)を用意し、授業中にハッと気づいたこと、次の活動に活かしたいことを適宜メモに残すようにし、授業後の話し合いに活かしています。毎時間、記録を残していくと2週間も経てば、ぱらぱら漫画のように「変容」がわかるようになります。
本来のTTで大事にしなければならないのは、授業を「予定調和」で終わらせるために事前に担当を決めておくことよりも、このように問題発見(実態把握)から、二人でそれをどう解決していけばいいかを話し合うことです。そうすれば、TTの必要性が浮かび上がってきます。
続いて紹介するのは、授業の「振り返り」シートです。何に気づかれますか。ちなみに、赤字は、NS(Liam)からのコメントです。

そうです。原稿用紙のように「マス」が作ってありますね。こうすると、「整った文章」を意識せざるをえません。結果として、大きな文字でいい加減に書くような生徒がいなくなります。さらに、矢野先生は次のようなことをルーティンにしています。
❶ 本時の学習で学んだことを「3文(つながりのある英文)」で書く(できたかどうかを確認するため)
❷ 本時でできるようになって嬉しかったことを具体的に書く(メタ認知力を高めるため)
❸ まだモヤモヤしていること、次はどうしたいのかを書く(探求の素地とするため)
❹ (TTの時は)ALTに向けてコメントを書く(ネイティブとの人間関係を構築するため)
すでに「振り返り」(授業の最後)で何をしなければならないかを理解している生徒たちは、これらのことを意識しながら授業を受けるようになります。特に、大きな変化が生まれたのは❹です。ネイティブが生き生きと授業に取り組むようになったそうです。生徒の興味・関心、知りたいことを把握し、さらに自分に関心を持ってもらえたことから「親愛のあるメッセージ」をやり取りできるようになったからです。ネイティブは、それを適宜、授業で紹介するようになりました。また、生徒のことを覚え、端的に関連する問いかけもできるようになりました。すると、それを聞いtいた他の生徒たちが「自分も」という気持ちで、積極的にコメントを書くようになっていきました。こうして、NSは授業だけではなく、廊下で見かけたり、街の中で見かけたときも積極的に話しかけるようになっていきました。
前に、授業とは「学級づくり」であると申し上げました。TTで、「学級づくり」に「異文化理解、他者理解」の要素も含めることができれば、クラスの仲間、教師、ネイティブの「手」(心)がみるみるつながっていきます。
ワークシートは欲張らず、シンプルに
次にご紹介するのは、博多中学校の上野先生のワークシートです。何が違いますか。授業の「流れ」を口頭や板書ではなく、一人ひとりが確認しやすいように書かれています。さらに活動を欲張らずに、インタビュー・マッピングと情報を付け足した部分(赤色)を区別し、学んだこと、未だにモヤモヤしていることを「振り返り」に書くという、非常にシンプルな作り方になっています。




これらのワークシートは、教師が毎回回収するのではなく、教師が「生徒の反応を知りたい」というときだけ回収をし、それを授業の中で活かします。基本的には、冊子の状態にし、単元を通して学習者が振り返りシートを持っています。そうすることで、現在地がわかるだけでなく、それを元に次のステージはどうなりたいのかという学習計画も立てられるようになります。
TTは、学校のプロジェクトだと考えると上手くいく(「授業」だけではない)
ネイティブは授業中だけ登場するという固定観念をなくし、学校生活の様々なところで「活躍できる場面」を用意すれば、「自分は役に立っている、日本に来てよかった」と考え、もっと何かできないかと主体的に考えるようになります。ネイティブから音声を事前に送ってもらうことができれば、お昼の校内放送のSchool DJにすることもできるし、廊下に「メッセージ・ボード」を用意し、ネイティブにコメントを書くような「投書箱」を備えれば、ネイティブはそれを楽しみに様々なことを発信するようになります。
私は、このHPで、ネイティブと一緒に10年間、卒業文集(成果物)を作っていたとお伝えしました。単なる「3年間の思い出」ではなく、テーマを自分で選び、A4判一枚で仲間(世間)への問題提起、さらには未来の自分へのメッセージを書きます。それに取り組んだのは、後輩にとっての身近な「教材」(読み取り、自己表現のモデル)にするためです。実際、共感できることが多い作品を提示すると、教科書以上に熱心に内容を読み込むようになります。








いずれも、たとえ英語の表現は稚拙ではあっても、大人をほろっとさせるような内容を持っています。「表現」で大事なのは「伝えたいこと」があるかどうかであり、「習った言語材料を使うこと」ではありません。 このようなことが書けるような「心」が育ち、さらに「技術」が身につけば「技能」として表出させることが可能になります。入試に合格しても、生き生きと表現ができないというのであれば、何のために英語(言葉)を学んできたのかわかりません。
一緒に、ハードカバーの「卒業文集」プロジェクトに取り組んだALTからのメッセージ
「成果物」を残すということは、どういうことか(時間の問題ではない)
今年度、3年生で卒業文集に取り組まれた前田範幸先生(福岡市立下山門中学校)からメールが届きました。
英語の「卒業文集」を、ペアの先生にもお願いし、完成させることができました。制作中、「次年度の3年生の学級に一冊ずつ残し、今後もつながっていけるといいね」と生徒たちに伝えました。それが生徒の創作意欲を高めたように思います。中嶋先生のされてきた「卒業文集」の取り組みの足元にも及びませんが、実際に自分でやってみて、「なぜ今まで文集作りをしてこなかったのだろう?」と思いました。それだけ、このプロジェクトによって生徒の英語力も伸びたし、英語に向き合う姿勢が変わったのだと思います。
福岡市では、5教科の授業は受験用問題プリントを行うのが1~2月の定番です。その時間はほぼなくなりましたが、英語の文集作りの方が、確実に生徒の力になり、意義ある活動になりました。しかも、「成果物」として後輩たちの教材として残すことができました。年度当初の年間計画で、3学期のゴールに設定しておいて本当に良かったです。
教科書をただ終わるだけでは、学習者の心には残りません。仲間と関わり合う作業(peer learning, peer editing)、学んできた英語を使って、感動や感謝の思いを分かち合う場面をどう用意できるか。それが教師の授業デザイン力であり、外国語やコミュニケーションを教えるということです。前田先生は、この喜び、この充実感を同僚とも共有され、学校全体で取り組むプロジェクトとして、教科部会全体の取り組みとして動くことが決まったそうです。
Relay Noteは生徒だけでなく、NSの意識も変える
小学校からずっと英語を学び続けてきた生徒たちが、英語という「言葉」を学ぶ意味、言葉の素晴らしさ、その可能性、さらには「個々の持つ感受性やポテンシャル」の大きさを実感することができるのは、「自分ごと」を等身大で語り合い、感じ取れるような場面に遭遇したときです。それを用意してやれるかどうかが、教師の「授業(グランド)デザイン」です。
そこで、私は、卒業文集以外に、ネイティブとの協働プロジェクトとしてRelay Note(4人班で一人ずつ意見を書いて、グループで回していく)にも取り組みました。ネイティブがそれを読み、グローバル・エラーなどを正しく修正しながら、I want to know more!とか自分の考えを書き、What do you think? と問いかけたりしてもらいました。

.png)
.png)

.png)

ネイティブたち(JETのALTと市の国際交流員)と一緒に「国際理解」のための集会を企画したこともあります。彼らは、ネイティブ仲間からのビデオ・メッセージも使って「世界のなるほどクイズ」「外人から見た日本文化の7不思議」などを考えてくれました。当日、彼らの友人も友情参加をしてくれ、大いに盛り上がりました。集会後、ネイティブたちは一躍人気者になり、授業でも積極的に話しかける生徒が増えました。
離任式では、それぞれのネイティブの farewell message に泣き出す生徒たちもおり、花束を抱えたネイティブたちも号泣していました。彼らが帰国した後、一部の生徒たちはその後もやり取りを続け、大学生になったときアメリカやカナダまで会いに行きました。
そのような場面を想像してみてください。この章の最後にも書きましたが「卒業式」のように最後のシーンを思い描くことで、それに向けて何をしていけばいいかが頭に浮かんできます。TTというプロジェクトは、ゴール(最後のシーン、具体的な成果物)を英語教師が具体的に用意しているか、頭に描いて指導しているかどうか、そしてそれをネイティブと共有しているかどうかで決まります。
「よかった」「お疲れ様」で終わらない研修に
今回の福岡市の「NSとのTT授業改善プロジェクト」は、3人の先生の奮闘、さらには福岡市英研のスタッフの献身的なサポートで一定の成果を上げました。しかし、研究授業のように一過性で「お疲れ様」で終わるのではなく、「次の一手」を打つべくすでに動き出しておられます。3人を指導面、精神面で支えてこられた松田由紀子先生(福岡市立原中央中学校、福岡市スーパーティーチャー、文科省検定中学校教科書 開隆堂 Sunshine English Course 著者)から、次のような熱いメールが届きました。
中嶋先生
公開授業からあっという間に2週間が経ちました。次に何をすべきかについてビジョンを明らかにしてメールをしようと考えておりました。(マイ・アクションです)
備忘録の「原因編と治療編(1/3編)」に載せられていた参観者の生の声を読ませていただいて、公開授業は当初のねらい通り、現場の教師への「Shocker」になったと感じました。
しかし、どんなに感動しても、すぐに具体的なアクションを起こさなければ、人は忘れてしまうものです。また、一部分だけを真似しようとしても、今回の3人のような授業の域にはたどり着けないでしょう。
だからこそ、来年度の新しい市英研のメンバーで、これまでのやり方を改善していきたいと考えています。教育現場は、年度当初の計画を立てるとき、「今まで通り」が非常に多いです。生徒の実態、トップの方針、社会からのニーズは毎年変わるのに、「今まで通り」ばかりです。私はこの「今まで通り」という考え方が学校を閉塞させ、生徒のやる気を削いでいる元凶ではないかと考えています。
来年度の市英研は、何十年と踏襲してきた地域ごとの役員配置から研究内容ごとに特化した(適材適所の)役員配置に変えるよう、役員会で提案するつもりです。オンライン塾2023で中嶋先生から教わったように、1つのゴールに向かって全ての活動につながりを持たせます。授業をされた3人の先生には、さらにNSとのTT授業の様々なバリエーションを発信し続けてもらいながら、後進の指導にも当たってもらうつもりです。初任者指導も教育センター任せにせず、中嶋オンライン塾メンバーに担当してもらい、授業づくりの楽しさを教えていきたいと考えています。今回のメンバーは、全員市英研に入っています。また、新メンバーとしてオンライン塾生も数名入りますから、全員、同じ目標に向かって協働できると確信しています。
秋には15大都市会議があり、来年度は福岡市の担当です。この会議で、福岡市がどのように教員研修を充実させてきたかを発表できればと考えています以上がマイ・アクションです。今までとは全く違ったものになりますが、中嶋先生のように、本気で臨めば、きっとうまく行くと思います。公開授業の準備でこんなにワクワクしたことはありませんでした。「謎解き」の続編を楽しみにしております。
大事なことは、まとめ役(リーダー)が「次にどうつなげるか」という構想を持つことです。そして、ヒューマン・ネットワークを広げ、実際に機能するチーム(同志集団)を作ることです。そして、ワン・チームで、利他となる「創造的な仕事」を楽しむことです。人任せではなく「自分ごと」として捉える。「自分のこと」だけやるのではなく、仲間と動くということです。
最後に 〜 ゴールは「シンプル」(誰でもイメージできる内容)にすること 〜
TTをプロジェクトとするためには、授業面ではどんな子どもを育てるのか、どんな「技能」を身につけさせて自信を持たせるのか、授業以外ではどんな活動( School DJ, 国際理解の集会企画, リレーノートの実践、卒業文集など)が可能か、そのイメージと具体的なアクションを共有しておくことが大事です。
そのような創造的な活動は、人をわくわくさせてくれます。さらに、それによって。途中でどんどんひらめきが生まれ、スルスルと活動がつながるようになります。大事なことは、あれもこれもと欲張らず、またバラバラなことをやるのではなく、「英語で堂々と表現し合う生徒の育成」のように1つのテーマでつなげることです。
たとえば、学校教育。学校は「卒業式」のためにあります。卒業生だけでなく、在校生、保護者、そして来賓の方々も感動の涙を流すような卒業式にするには何が必要かを、1年生の時から全員で考え、共有しておくようにします。そうすることで、「そのために、行事や活動がどんな意味を持っているのか。何ができるようになっておかねばならないか」が話し合われるようになります。目先のことに振り回されていると、目先ばかり見るようになり、問題ばかりが見えてくるようになります。やがて、安易な解決方法に頼るようになります。逆に、「こんなことができたら楽しいだろうね」とか「こんなこと、生徒ができたらいいね」ということなど、仲間(同僚)と一緒に想像の世界を広げていくようにすると、脳に「想像」(ワクワクすること)という栄養を与えることができます。それは「創造」(ひらめき)につながっていきます。
授業も同じです。「教科書を終わる」というゴールでは、何もイメージできません。「入試に対応する力」というのも漠然としており、結局、教科書に出てくる言語材料や語彙を数多く覚えるという指導しかできません。ところが、「成果物」(学年ディベート大会、プレゼンテーション・コンテスト、卒業文集づくり、など)が具体物として用意されていれば、それに向けていつ、どこで何をすればいいか、見通しが持てるようになります。このHPで「地球市民の方程式」(A = MVP, 人が主体的に動く要素)で、Mission「使命感」(責任)Vision「ゴールまでの見通し」(イメージの具現化)Passion「情熱」(強いこだわり)の3つが掛け算の関係になることだとお話ししました。教師の場合、「いつも通り」に慣れてしまうと、自分で計画を立て「見通し」を持って行動するということが減っていきます。
そうならないためにも、学年で、または自分で「具体的な到達目標」を設定し、それに向けてカレンダーに中間チェックも含めて計画を書き込み、それを常に見ながらイメージしていくことをお勧めします。夢は「叶う」のを待つのではなく、あなたが「実現」させるものです。
すでに気づかれたと思いますが、これはTTだけでなく、勤務校の同僚性も同じです。ゴールを共有し、相手に関心を持ち、相手の考えや意見を尊重し、共に「感動する心を持ち、先輩に憧れ、母校に誇りを持てる生徒たちを育てるco-worker」として協力できるかどうかで学校が決まるように思います。