確かに「藤棚」は人気がありますが・・
冬が終わり、春になると一斉に花が咲き始めます。梅、菜の花、たんぽぽ、桜(ソメイヨシノ、エドヒガンザクラ)、つつじ、桜草、芝桜、そしてチューリップ等々。3月の下旬から私たちを楽しませてくれます。その中で、桜同様、多くの人たちが「鑑賞」に出かけていくのが「藤の花」ではないでしょうか。そして、それは概ね、藤棚のある名所ではないかと思います。樹齢1200年と言われる「牛島の藤」(埼玉県春日部市牛島)はたくさんの人が訪れます。
http://www.ushijimanofuji.co.jp/
青葉園(さいたま市大宮)も樹齢700年と言われる藤が見られます。夜はライトアップされます。




藤を育てられたことはありますか。実は、藤のつるはどんどん伸びていくのです。厄介なことに、やがては家の中(屋根裏)にまで侵入してくるようになります。富山の実家も、以前は大きな藤棚が作ってあったのですが、伸び放題で手入れができなくなってしまったので、家族で相談をして切ってしまいました。(後で、近所の方から「楽しみにしていたのに残念」とか「もったいない」と言われたのですが)
ところが、「棚」を作らないで藤の花を育てている家もあります。これも、近所で見かけて写真に撮ったものです。何となく「2頭の大型犬」のように見えてきませんか。「棚」という「形式」に縛られないこと、「自由」ということに関心があるのでしょう。この後、どう育てていかれるのか、知りたいものです。

デザインは「4次元」(空間+以後の時間)で
さて、アイキャッチでご紹介したのは、近所で見られる藤です。最初、見られた時は「おやっ」と思われたのではないでしょか。
実際にはこのようになっています。下から見上げると、外壁を伝わせたヒバや他の植物の成長とマッチするように育てていることがわかります。


これも、長期的な「見通し」の産物と考えられます。「どう育てたいのか」というビジョンがあったのだろうなと思います。一ヶ月後ではなく、1年後はどうなっているのか、いや5年後、10年後はどうなっているのかも考えておく。
生徒も同じですね。
10年後を考えた時に、目先のことではなく、将来、何ができるようになっていて欲しいのか。周りの人の役に立てる人間に、そして何よりも自分の人生を逞しく切り開いていける気概を持った人間になって欲しいと考えた時、「教科書を先に進める授業」に腐心している日々は何だか虚しいですよね。