説得ではなく、納得を引き出すのが教師の「仕事」。人とつながり、人を繋げるのが教師の「役目」

      ― 地球市民オンライン塾2023(指導主事オンライン研修編)より ―

毎月、1回の定例オンライン塾(2時間)を行なっています。それ以外にも、オンライン塾に参加されているアドバイザー・オンライン会議、若手教員オンライン研修、指導主事オンライン研修も並行して行なっています。

「絶対にこれを成し遂げたい」という具体的な目標を立てている方は、成長曲線が右肩上がりになっており、研修等で吸収されたことを、どんどんご自分で活用していかれます。そうでない方は、なかなか自分の目標に「つなげたい」というイメージが持てないので、指示待ち、依存的な学び(受け身)になってしまいます。それが習慣になってしまうと、身についたこと、できるようになったことで、どんどん差が開いていきます。

 学びは「個人」で帰結するものであり、グループの発表や振り返りで終わらせてはいけません。放っておくと、最後はそれぞれ「できた!」という実感を持ち、それが自信につながっていくようにしなければなりません。ポイントは「協働学習」(足場かけ)の中で、仲間のモデルとなる取り組みに触れ、自分の現在地を適宜認識しながら、こだわりが生まれていくような学習プロセスにすることです。

3年前に、一人の指導主事(京都府)が起点となり、文科省主催の全国指導主事研修会で知り合った全国40名の指導主事の方々を対象にオンライン研修を行いました。そこでは、学習意欲を高める指導のあり方、新しい学習指導要領の考え方、指導助言をする際のポイントなどについてお話をしました。参加者の方々は、強い使命感を持ち、活動の中でお互いによいロールモデルとなって、学び合おうとされました。

今、地球市民オンライン塾には、4名の指導主事(関東1名、関西2名、九州1名)が参加されています。オンライン研修で所属されているそれぞれのグループ(全部で7グループ)では、メンバーの精神的な支えとなり、さりげなくサポートをする(利他)役割を果たしておられます。

今回は、オンライン塾の塾生を代表して、4人の指導主事の方々の学びについてご紹介したいと思います。テーマは「納得」と「つながる手」です。教師は、生徒、同僚、異校種の教員、そして保護者とつながる手を持っています。

それをいつでもつなげられるようにしているのか、それともずっと「腕組み」をしたままなのか。それは、教師の理念、相手への関心度次第です。私たちの「手」は何のためにあるのでしょうか。

冒頭にご紹介した生徒の英語の詩(We Are Hands.)は、平成6年度の卒業文集の中に入っているものです。よろしければ、丁寧に読んでみてください。今の教育へのメッセージになっているように思います。

授業で、生徒と生徒がつながったとき、既習事項(生活経験)と新しく学んでいることがパッとつながったとき、クラスの空気がパッと変わります。4人の指導主事は「利他」(行政)という立場に立って、そのような学びをなんとか広げられないかと奮闘しておられます。それぞれ、オンラインの指導主事研修、全体研修、グループ研修を通して、どんなことに気づかれたのでしょうか。

【5月、6月の定例会、指導主事オンライン研修を終えて】         (4人のレポートより) 

A 指導主事

このオンライン研修に参加し、例会、指導主事オンライン研修、グループミーティングを通して、自分自身が学んだことは次の2つです。

1 目的を意識する

2 成長するヒントは自分自身の中にある

この学びから、現在、次のように取り組んでいます。

1 目的を意識する

現在、各種事業等の計画書を提出いただいていますが、修正を求めることもあります。その際には、「これは何のためですか」、「児童生徒(子ども)を主語にするとどうなりますか」と尋ねることで、分かりやすい資料に仕上がってきます。

2 成長するヒントは自分自身の中にある

このオンライン研修に参加している指導主事は、かつて自身が作成した学習指導案を、指導主事という立場で見直し、リニューアルしました。この経験から学んだことは、「新しいものを追い求めるばかりではなく、自分自身と向き合うことで成長するヒントが見つかる」ということです。

これは、学校の先生にもおいても同じです。ここで指導主事に求められるのは、説得ではなく、納得が必要です。先生が「はっ」とする経験をすることで、何が足りないのかを自覚し、やるべきことを見つけられるよう促します。

今、夏の研修においてどのように演出したら、先生の気づきを促せるか研修計画を再考しています。その際のポイントは、次の2つです。

1 「作業をして、話し合う場面」を作る

2 作業の取りかかりは、だれでも簡単に取りかかれるものにする

さらに、先生には、それぞれの気づきから、今後何をしていくかを具体的に考えていただくようにします(自己決定、自己申告)。可能であれば、見届けまで行いたいと考えております。

英語を使った言語活動は、とても楽しい知的活動です。指導主事となり、授業で英語を使ってやり取りをすることが激減した今だからこそ、強く感じます。先生が行う学校の授業の中で、是非、この楽しい思いを子どもたちにも味わってもらえるよう、日々の業務に励んでいます。  

また、指導主事の業務は大きな責任を伴いますが、個人に任されることが多いです。私はこの研修に参加してから、職場のサブ担当や上席の方を上手に巻き込み、関わっていただきながら、一人で抱え込まないようにしています。時には、この研修で出会った指導主事の方や学校の先生からアドバイスやヒントをいただくこともあります。同僚や上司、仲間の存在の大きさを感じ、大変ありがたく思っています。このつながりを大切にしていきます。

B 指導主事

私は今、指導主事として、「何のために」そして「誰のために」、職務を果たすべきかについて、明確に理解できています。そして、果たすべき職務を「どのように」やるべきか、明確なビジョンを持つことができています。そこには、次の3つの学びが根底にあります。

1「何のために」の明確化

 リテリングやディベートはゴールに到達するための手段であり、目的ではありません。学校現場で英語を教えているときには、手段にこだわり、「何のため(目的)」にその手段を用いるのかを十分に思考してきませんでした。英語教育を通して、「育てたい生徒像」はどのようなものか、そして彼らに「身に付けさせたい資質・能力」は何であるか。つまり、私は教育の本質を十分に考えて整理していませんでした。

 地球市民オンライン塾2023、そしてオンライン指導主事研修を通して、目的を明確化することの重要性を身に染みて感じています。オンライン塾では例会とは別に、月に1回のペースでグループ会議をオンラインで実施しています。

 そこでは、各自の取組の課題や学びの振り返りを行っていますが、必ず会議の目的を明確にしてから、話し合う内容を検討しています。目的が明確であれば、会議の議題は自然に整理されていく。会議の到達点に向けて、全員がやるべきことを共通理解し、行動できます。

🟢 学びの還元計画(実践)

① 職場では、従前のとおりに研修や業務をこなすことが多い。しかし、各取組の目的は何か、取組の内容は目的に 適ったものなのかを整理し始めている。

② 英語教員研修について、初回の講義で参加者の先生に「育てたい生徒像」を伺った。何のために英語教育をするのかを整理し、共通理解をしたうえで研修を進めていくためである。

2 利他の行動

 自分自身では常に「相手目線」で行動していると考えていました。甘かったです。塾長である中嶋先生から真の「利他」の精神を学んでいます。オンライン塾のために膨大な資料を準備していただき、例会後には各グループの振り返りに丁寧にフィードバックをしていただいています。それだけではありません。全国各地で御指導されているにもかかわらず、指導主事のためにオンライン研修を開催していただき、学習指導案のリメイクを提出すれば、丁寧にフィードバックをしていただいています。これが「利他の精神」です。「見返り」をもとめるのではなく、“give”し続けることが重要です。協働の必要性は誰もが理解していることですが、今、私たちが実践していることは真の「協働学習(協働的な取組)」なのでしょうか。どこかで「見返り」を求めてはいないでしょうか。

職場でも学校教育でも、協働は欠かせません。真の協働を実現するために、私は率先して同僚や現場の先生にgiveし続けていきます。

🟢 学びの還元計画(実践)

①職場の仕事は共同(分担)作業が多い。コロナ禍も落ち着いたため、これまで中止していた取組を再開するなど、仕事量は増加している。そんなときだからこそ、教育職や行政職に関わらず、常に声をかけ、役割を超えて、私ができる作業は率先して手伝っている。

② 共同作業を協働作業にするには、“give”し続ける人間の存在が必要である。そこで、英語教育に関する情報や学びは、すぐに複数の外国語科指導主事に共有し、指導主事がチームになるために取組んでいる。

3「ハッ」とする気づき

 たった2か月で多くの学びを得ました。正確に言えば、多くの実体験を通して、自分が「勘違いしていたこと」や「やるべきこと」に気づくことができました。マンダラートへの取組を通して、自分自身が手段を目的化していたことが明確になりました。中嶋先生の成果物(卒業文集)を通して、英語教育が人格形成のためであり、豊かな人間性を育むための教育であることに気づきました。3色付箋で学びを視覚化すること、例会の「振り返り」により、学びを自分の言葉で言語化する力の欠如など、数えきれないほど「ハッ」とする瞬間を経験してきました。

 今、この瞬間に「ハッ」としたことがあります。それは、教えられるのではなく、自ら「ハッ」として気づいたことは、記憶に残っているということです。そして、自分自身で「できていない」と感じたことは、納得して次の行動に向けて動き出せるということです。

それは「指導主事として、英語教員として、現場の先生や生徒に、「ハッ」する瞬間を仕組めるようになりたい」ということです。

 🟢 学びの還元計画(実践)

① 初任者の授業を参観する機会では、各初任者の実態とニーズを的確に把握し、マンダラートや3色付箋等を使い、授業者が「ハッ」とする機会を演出し、説得ではなく納得の得られる指導・助言を行う。

② 英語教員研修では、マンダラートを活用し、各参加者が「育成したい生徒像」から「育成すべき資質・能力」を整理する活動を行う。最終的には「育成すべき資質・能力」のための具体的な指導方法を洗い出していただき、模擬授業と研究授業を行う。

  以上です。

C 指導主事

4月から研修を受けてきて、自分の中で変容を感じています。まず、様々なことに対して、以前より見通しをもって取り組むようになってきたことです。次に、何事にも目的に意識が向くようになってきたことです。各種研修や行事を行う際、どうしても「何をさせるか」「どうやって行うか」ということに意識が行きがちでした。

 大切なことは、その研修や行事を通して、参加者にどのような力をつけさせたいのかという視点です。同様に、授業研究を伴った校内研修に参加する際も、これまではどちらかといえば、指導のあり方、ハウツーや理論的なことを一方的に伝えていました。学習指導要領をこれまで以上に読み、気になる言葉は調べ、授業が求められている力をつけるための戦略があるか、それを達成するための戦術が取り入れられているかという視点で参観することができています。

 私自身が変容してきていることに伴い、先生に伝える(還元する)際に2つのことを意識するようになっています。

 1点目は、私の研修会に参加される、または指導助言を受ける先生に「ハッ」とするような気づきを与えることです。先日開催した研修会では、「英語を話すとは」をテーマに、マンダラートを使って、「何ができるから話せるのか」「どんな力があるから話せるのか」を書いてもらい、その中から特に大切なことを3つ選んで、マッピングで論理的に話すようにしていただきました。すると、参加された先生の中から、「自信や話題の多さなど、英語の語学力に関する以外のことが必要であることやそれを授業で意識してやっていることはなかった」というような言葉が聞かれました。

 この後の研修に臨む先生の意識は間違いなくこれまでと異なっていたと感じました。また、付箋紙を使った指導についてもこれから取り組んでまいります。学習指導要領について、青(授業で扱っている・テストでも出している)・黄(授業で扱っている・テストで出していない)、赤(授業で取り扱っていない・テストで出していない)を貼り、自身の指導を可視化し、年間を通じてどのように指導を変えていかなければならないのかということを考えることについてグループに伝えたところ、一人の先生が早速実践され、授業とテストの関係性の薄さ、特に「話すこと(やり取り)」の領域が不十分であることに気づき、自身の授業を見直すきっかけになりました。

 さらに、授業をする先生に、私たち自身が中嶋先生からご教示いただいて体験したように、ご自身の指導案に、赤(教師中心の活動)・青(協働的な活動)・黄色(一人でやる活動)を、どこをどのように変えていけばよいのかを考えていただく機会を持ちたいと考えております。

 2点目は、私たちが手本を示すことです。先生が一生懸命、学習指導案を作って、本番の授業を行われたものに対し、ただ指導を行うだけでなく、同じように私たちも学習指導案を作り、提案という形で示すことが効果的であるということです。同じ内容の教材を使って、目的を達成するためにどのようなプロセスを踏めばいいのかということを、先生が自身の指導案と比べながら考えることができます。

 また、具体物を見せることも行いました。先日、私は指導主事オンラインで学んだRetellingについて、できるだけ読み手がイメージしやすいように、具体的に文章化してグループメンバーに配布しました。加えて、実際に中学1年生の教科書をもとに、パワーポイントでRetellingのためのプレゼン資料を作り、Zoomで録画をしたものも配布しました。グループの先生からは、「分かりやすい」「イメージしやすい」「今日からの授業で早速やってみたい」というような声をいただくことができました。

D 指導主事

4月からの地球市民オンライン塾、そして指導主事オンライン研修を通して、私は今、中嶋先生から最初に教えていただいた「利他の精神」を持つこと、「目的と目標の違い」を理解することの大切さを日々感じているところです。業務上のあらゆる場面で、自らの行動の中に落とし込まれてきているように思います。恥ずかしながら、私自身は「相手の立場を考えて行動していたつもり」の人間でした。

 例えば、私は、指導助言を求められたときに、つい、あれもこれもと話しすぎてしまうことが課題でした。聞いていただく先生が、自分のこととして納得し、理解していただくために、一生懸命スライドを作成し、説明していました。そして、いろいろと話しているわりに、肝心の伝えたいことが伝えられていないこと、伝わっていないことが悩みでした。振り返ると、それは、聞き手への意識が弱く、どんな目的で行うのかということへの焦点も絞り込めず、ただ自分本位で一生懸命「伝えたつもり」だったからです。

 しかし、4月からの中嶋先生との研修の中で、ジグソー学習を通して様々な考えを吸収し、マンダラートやマッピングで整理したことを、一緒に学ぶグループの皆さんに対して自分のことばで、どうしたら伝わるかと考え、端的に話すという体験をしました。今まで現場の先生に理解してもらうために、とにかく一生懸命説明しなければいけないと思っていました。しかし、自らが考え、体験しながら、知らないうちに納得して理解できているという経験をしたことで、自分のことでいっぱいになり、聞いていただく方々の様子まで意識がいかなかった自分に気づきました。

 現場の先生が、自分で自分を見つめ、変えていこうとする力をもっていただくことが私たち指導主事の役目です。それを導き出すための仕掛けづくりについて、中嶋先生から大変多くのことを学ばせていただいた次第です。

 先日、実施したICT担当者研修会では、マンダラートを活用しながら「子どもたちのICT教育推進のために担当者ができること」について考えたことをまとめて、各校担当者から発表してもらいました。同席していたICT支援員さんから、今回は皆が自分ごととして考えるよい機会になり、今までと違って意味のある研修になっていたとお言葉をいただきました。

 今、私が悩んでいることは、現場の先生が「目的・場面・状況」を設定し、「思考力・判断力・表現力」を伸ばす授業に取り組もうとしても、結局、練習やドリルで終わってしまう場合に、どのように助言をすればよいかということです。先日の研修では、中嶋先生は、即興の「やりとり」から自然とライティングにつながる活動を教えていただきました。ペアをかえて質問と答えをやりとりし、違う相手にレポーティングをするというものです。相手意識を持って、英語でないとできないもの、英語だから言えることを、自然とワクワクしながら取り組み、あっという間に時間が過ぎていきました。「思考力・判断力・表現力を育てる授業で大事なのは、目的(何のため)と相手(誰に向けて)な

んですよ」と最後に中嶋先生はおっしゃいました。

 このような授業をつくっていきたいということを、日々、忙しくされている先生に、どのように伝え、考えてもらえるかということが、今の私が考えないといけないことです。早速、学んだことを毎月行っている市内英語科教員ミーティングで、ワークショップを実施して還元しているところです。

 単に指導主事が「~してください」というだけではなかなか難しいことが多いです。いかに自分ごととして、納得し、「やってみよう」と思っていただけるか、その先には子どもたちの姿が思い浮かべられるように、皆で考えていけるチームを作っていくことが大事だと考えています。

 そういう意味でも、本研修で全国の先生とつながって、ともに「どうすればいいか」を真剣に考える機会をいただけていることに本当に感謝です。私たちは自分で体験したことから気づき、自分で自分を変えていこうとする力(自己更新できる力)持っています。今、私は、大変な中にも、自分が変わっていこうとしているという実感を持ちつつあります。中嶋先生の研修を通して、大変多くのことを学ばせていただいていることにあらためて感謝したいです。

【7月の指導主事オンライン研修を終えて】(4人のレポートより)

A 指導主事

 今日のテーマは「説得ではなく納得する伝え方」として、私自身、中嶋先生がお話されること全てに納得し、時間があっという間にすぎていきました。

 「授業は引き算です」と中嶋先生がおっしゃった言葉がとても印象にのこっています。

 先日から、授業中に生徒が暴れてうまくいかなくて、指導する中で、教師と生徒、保護者がもめたという事例報告が続いています。事情を聴いていくと、「説明しようとしても、まったく私語をやめずに立ち歩きだすので指導した」などいろいろとあります。ただ、この「説明しようとした」という部分が、正直、いつも引っかかっております。当該の方々に聞きとりをしていくと、導管メタファー*( 当HP「個別最適な学び」参照)的な伝え方を「当然」のようにしようとされていて、生徒が悪いという結論にいきつきます。

 しかし、逆の立場だったらどうなのか、自分本位でしか考えられない教師がする話に児童生徒はひたすら付き合わされているわけです。まずは教師として、そこに思いを寄せてほしいと考えてしまいます。全ての方がそうとはいえないですが、問題行動報告が多く上がってくる学校は、このように導管メタファーの伝え方をする教師が多い傾向があるように感じます。しなければならない説明であったとしても、それをどのように子どもたちに納得できるように伝えるかを考えることが、教師の仕事であると私は考えます。

 どんな内容の説明を、どのように?その時間は?必然性のある説明だったのか?などをふりかえっていただくために、私は、今の自分の役割の中でどんなことができるだろうかと考えておりました。

 ですから、本日の研修のお話は、どれもすっと頭に入ってくることばかりでした。抽象化するためのオリジナルの 比喩を考えるという活動は、まるでコピーライターになったような気分でわくわくしました。教室に、職員室に、職場に、このようなわくわくする雰囲気や時間がもっと増えれば、様々なトラブル、困難なことも少なくなり、解決して進めていけるだろうに、と痛感しました。

B 指導主事

 今回の研修の中で、教科の論理と生活の論理をつなげるというお話を聞いて、はっとしました。本日、この地球市民オンライン塾とは別の指導主事対象研修会に参加しました。その中で、ある小学校籍の外国語担当指導主事が次のように話されていたことを思い出しました。

「市内の小学校の言語活動の特徴は、体験的な活動や生活と密着していて、子供たちがやってみたいと思える活動に なっています。」

 研修中に、心の中で「これだ!」とつぶやきました。中学校の授業において、言語活動がなかなか充実しないのは、「教科の論理」(教科書の内容)と「生活の論理」(子どもたちの生活)がつながっていないことが大きな要因だと思います。つまり、生徒にとって言語活動が自分ごとになっておらず、教師が用意したことが全て正しいという認識になってしまっている(振り返りアンケート等で確かめていない)ことです。

 現在、各地で小中連携が進められておりますが、本日お話いただいた「生活の論理」の視点が、学び方をつないで連携を進める1つの糸口になるのではないかと思います。まだ、具体的に、こうしたらよいというアイデアが出たわけではありません。本日、私が体験したように、これから時間をかけて、先生方の気づきを促し、納得を引き出す策(演出)を考えていきます。

C 指導主事

「伝達講習=つまらない」とほぼあきらめていましたが、中嶋先生の本日の話を聞きながら、参加者を「ハッ」とさせる手立てをたくさん知ることができ、「ハッ」とさせられた1時間でした。

まだ、頭の中ではぼんやりとした状況ですが、これを行動に移すことによって、ぼんやりした考えが具体化されて行くことだと思い、改めて4月からずっとおっしゃられているマイアクションの重要性にも気づくことができました。中嶋先生の話を聞いていると、いつも「明日やってみたいな」「早く研修に行きたいな」と意欲を掻き立てられることが多く、それは何より成果を見てみたい気持ちの高ぶりがあるからだと思います。

本日は、特に言葉について、何気ない言葉をどのように魅力ある言葉にしていくのか、そしてメタファーがもたらす効果について学ぶことができました。本を読むことは好きですが、見出しや目次をつぶさに研究したことはありません。目に止まる見出し、言葉が何になるのか、今手元にある本を少し見てみました。

「教師と子どもが笑顔になる家庭学習を!」

「分かりません」とは言わせない

「会話のピンボール名人になる」

「悪魔の言葉vs魔法の言葉」etc.

きっと、何気なくこういった見出しに惹かれて本をそのとき購入したことだと思います。7月のプレゼン研修に向け、現在制作途中です。「これでいいかな」と思っていましたが、今日の話を聞いて、たった5枚のプレゼンですが、まだまだ改善の余地ありと思いました。見出しを考える、「ハッ」とするようなイラスト、写真、比喩・例えの活用をやってみます。何事も最初からうまくいくはずがなく、日起こることが、自分に役立つ経験になると考えています。

D 指導主事

 本日も大変お世話になり、ありがとうございました。オンライン塾での学びを踏まえて、沢山の気づきがありました。指導主事としても、研修で3K([自分たちで] きづきたい、[仲間と] かかわりたい、[自分で]かんがえたい)を意識して、研修を組み立ていくべきだと実感しました。また、言語化については言い換えることで精一杯であり、日常生活の具体で言い換えることができていません。

 まずは7月例会のプレゼンテーションで、聞き手がイメージできるよう、話の内容に具体を取り入れていきます。記憶に残る助言ができるように、言語化する力視覚的にハッと気づいていただける力を磨きます。トマトのように、自ら働きかけ、沢山学んでいける人間になります。

 公開授業をされる先生とのやり取りは合計4回となりました。彼には学習指導案を3回、修正してもらいました。彼の意欲と受容する心に感動しております。昨日に、彼から来週にリハーサルをしたいので、ぜひ見に来てほしいと依頼をいただきました。常にポジティブな声がけをし、彼の悩みに耳を傾けてきたことで、信頼していただけたのではないかと感じております。今はお一人の先生ですが、8月からは24名の先生と、やり取りを始めます。学びを実践する速度は遅いですが、一人ひとりの先生に着実に学びを伝えて参ります。

教育学者のデューイは、「人間は自己更新をする」と言いました。自分を客観視し、よりよくなろうとするためには、「わかりやすいゴール」の設定が必要になります。それによって、見通しが生まれます。必要なのは、適宜、自身の「メタ認知力」を高めるために、一人ひとりにとって意味のある「振り返り」を行っていくことです。最後に「振り返りの時間がなくなってしまった!」という授業をよく拝見します。それは「準備したことは全てやっておきたい」という欲張った姿勢(足し算思考)、「できるだけ予定調和にしたい」という教師目線の考えから生まれているように思うのですが、皆さんの授業はいかがですか。

 

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この記事を書いた人

英語 "わくわく授業" 研究所 代表(元関西外国語大学教授)
(公財)日本英語検定協会派遣講師・(株)リンク・インタラック エグゼキュティブ・コンサルタント