“綿毛” を飛ばせば、ネットワークができる
先に、当HPでご紹介した「春休み”たんぽぽの綿毛”セミナー」に全国から45名もの方々(遠くは九州からも)が東京都北区(渋沢栄一ゆかりの地)に集まって来られました。
しかも、英語教師だけでなく、他教科の先生、小学校の先生も参加されました。何故なら、講師陣(多くは、中嶋塾@東京2023,地球市民オンライン塾2023の卒塾生)が「授業とは学級づくり」という信念を持つ教師たちであり、学級経営をベースにした問題提起だったからです。
今回、講師の方々から「振り返りレポート」が送られてきました。私だけ読むのは何とももったいないような優れた内容なので、ここでご紹しておきたいと思います。
このHPを読んでおられる方、または中嶋のセミナーに一度でも参加されたことがある方は、きっと頷かれることがたくさんあるのではないかと推察します。
ちなみに、講座のタイトルを見てみましょう。
🔹バックワードデザインで単元構想!おいしいレシピをお届け♪
🔹オーラル・アプローチによる英語授業の組み立て方の基礎・基本
🔹発問で変わる!リテリング指導のあの手この手
🔹生徒の作品が激変!?中間指導の妙手
🔹1年生への初期指導、どうしよう?
🔹学習指導要領を愛読書にしよう
🔹 給食のお皿が割れたらどうする?学級経営が全ての土台
ボールド(太字)にした部分は、いずれも聞き手目線に立った書き方(知りたい!を引き出す内容)になっています。しかも、繋がりのあるストーリー仕立てです。書籍のタイトル、文章の見出しも同じで、いかに全体構想を練り、どうキャッチーな言葉を使うか。「食材」をそのままポンと出すのではなく、食指が動くようにひと工夫する。全てはその姿勢からです。
では、時系列(セミナーに登場順)でレポートと当日使われたスライドを掲載致します。当日、参加できなかった方もイメージできるような書き方になっていますので、どうぞお楽しみください。
⑴ 本田 大輔 先生(東京都北区立飛鳥中学校)
https://nakayoh.jp/wp-content/uploads/2025/04/①バックワードデザインで単元構想_北区飛鳥中学校_本田.pdf
⑵ 宮﨑 太樹 先生(東京都日野市立日野第一中学校)
https://nakayoh.jp/wp-content/uploads/2025/04/②オーラルアプローチによる英語授業の組み立て方の基礎・基本_日野第一中学校_宮﨑.pdf
⑶ 山内 崇史 先生(麻布中学校・高等学校)
https://nakayoh.jp/wp-content/uploads/2025/04/③発問で変わる!リテリング指導のあの手この手_麻布中・高校_山内.pdf
⑷ 風見 郁江 先生(東京都北区立飛鳥中学校国語科)
https://nakayoh.jp/wp-content/uploads/2025/04/④生徒の作品が激変!?中間指導の妙手_北区立飛鳥中(国語科)_風見.pdf
⑸ 高杉 達也 先生(筑波大学附属中学校)
https://nakayoh.jp/wp-content/uploads/2025/04/⑤初期指導どうしよう_筑波大附属中学校_高杉-1.pdf
⑹ 松山 晃基 先生(神奈川県横浜市立横浜総合高等学校)
https://nakayoh.jp/wp-content/uploads/2025/04/⑥学習指導要領を愛読書に_横浜市立森中学校_松山.pdf
⑺ 給食のお皿が割れたらどうする?学級経営が全ての土台 本田 大輔 (北区立飛鳥中学校)
https://nakayoh.jp/wp-content/uploads/2025/04/⑦給食のお皿が割れたらどうする?_北区飛鳥中学校_本田大輔.pdf
いかがでしたか。学習者をワクワクさせるのは、決してテクニック(目先の指導技術)ではなく、正しい生徒理解、仲間との同僚性、そして何よりも「最初の全体構想」や「中間指導」の必然性を作ることが「扇の要」になるということに気づかれたのではないかと思います。
では、発表者たちはどのように研修会を捉えたのでしょう。4名の方が代表で振り返っておられます。覗いてみてください。
https://nakayoh.jp/wp-content/uploads/2025/04/⑴ -綿毛はどこへ_北区立飛鳥中_本田.pdf
https://nakayoh.jp/wp-content/uploads/2025/04/⑵-綿毛はどこへ_麻布中・高校_山内.pdf
https://nakayoh.jp/wp-content/uploads/2025/04/⑶-綿毛はどこへ_横浜市立森中学校_松山.pdf
https://nakayoh.jp/wp-content/uploads/2025/04/⑷ -綿毛はどこへ_北区立飛鳥中_風見.pdf
「飛鳥の会」に関心を持たれた方、各レポートを読まれて2回目のセミナーの開催等について知りたいと思われた方は、事務局の本田大輔先生(東京都北区立飛鳥中学校)のアドレス(前回の案内編を参照)までご連絡ください。ちなみに、遠路、参加された阿南翔平先生(福岡市立城香中学校)は、次のようなメールを送って来られました。*「なぜ、TTがうまく行かないのか?」参照 https://nakayoh.jp/2025/03/18/
「なぜ、TTがうまく行かないのか?」4部作の治療編(3/3)を読みました。その後、昨日本田先生の飛鳥の会にも参加してきました。まずは、治療編③を読み、「指導方法」に関して、いくつかハッとするものがありました。ハッとしたというより、最近取り組めてなかったの方が正しいかもしれませんが…。それに矢野先生のカルテや振り返り、上野先生のシンプルなデザイン等、HPに書かれていることも試していかなければならないと思っています。
結局、そうなると1時間の授業デザインではなく、単元、いや1年間、更に3年間分の計画を練り直さないといけないということにも気づいて、慌てていたりもしています。
それよりも「心」の部分に関して、治療編を読み、土曜日に飛鳥の会に行って深く考えさせられました。
本田先生が初めのプレゼンの際に氷山の一角を示し、表層の部分だけでなく見えない部分の大切さを強く述べられていました。そして、どの先生も「指導方法」の話をされてはいるのですが、やはり根幹として教育観や信念といった土台となる部分が垣間見えました。
中嶋先生もおっしゃっているように、結局は「心」なんだと思いました。ですが、やっかいだなぁと思うのがこの教育観や信念といったものを全国のどれぐらいの先生が、登壇者の先生方のように強くもっているのかということです。
私はこの半年間で、中嶋先生から指導技術だけでなく、「観」に関する部分を揺さぶられました(初めて会ったときは揺さぶられる程度の教育観しかなくてしどろもどろにしか答えられませんでしたが…)。ですが、揺さぶられて見つめ直したからこそ、今回の飛鳥の会で「この先生プレゼンが上手だなぁ」ではなく、「観の部分を伝えたい(気づいて欲しい)のではないか」ということを考えました。
半年前、先生が私に話してくださった「セミナリアン」の話(表層だけ見て、それを試して、諦めるという話)が身に染みて分かった瞬間でした。そして、この半年間で中嶋先生や松田先生、そして本田先生の3名から共通して言われたことがあります。それは「(仲間を作って)人を巻き込む」ということです。
これに関しては、本当に昨日まで深く考えてこなかったことなのですが、3名の先生方が口を揃えておっしゃるのですから「たまたま」とは思えないので、何か人を巻き込むことはできないかと考えています。まずは学年レベルから挑戦してみたいと思います。
最後に、マイアクションです。
① 4月からは、経験年数が少ない教師を指導するという立場に立つため、「心」の部分の大切さを伝えたい(それよりも気づいてもらいたい)です。そのためにもまずは自分が「教育」という広い範囲についてや英語教育、学級経営について説明できるようにならないといけません。これは、生徒が違えば、その対応の仕方もまた違ってくると思いますし、「答え」はないと思っています。確かに「指導方法」といったhow toも大切かもしれませんが、最後は信念といった部分が Backward Design や緻密さに繋がると考えるからです。
② 仲間作りです。もちろん市英研の活動もありますが、もっと草の根的な運動ができないものかと思っています。「人を巻き込む」ためには、ビジョンを周囲に示さないといけません。まずはビジョン(まずはこの内容からですが)を示し、声に出していきます。力のつく環境を用意する(若輩者がおこがましい言い方ですが)ことも、今後(何年かかるのか分かりませんが)の役割だろうともだと考えます。
この半年間で、私の人生が大きく変わりました。出会った方々が私に「大きな何か」を残してくださいました。これからそれに意味付けをしていくのは私自身です。今まではもらう側で、あまり意識をしていませんでしたが、次は私が誰かに「何か」を渡す番だと思っています。中嶋先生がおっしゃった「利他の精神」をどこまで体現できるかはわかりませんが、そんな人生を歩んでいければと思います。
大事なのは、人生においてどんな「ヒューマン・ネットワーク」(知恵を集めて何か魅力的なことを創造し合う仲間)を作れるかです。今、オンラインで繋がる(勤務校や自宅で可能)仲間が増えています。
近日中に、オンラインで東京と福島の中学校(3年)がつながり、クラス対抗でマイクロ・ディベートに取り組んだという実践例をご紹介します。これからは、そのように全国の先生方が「研修」だけでなく、授業でもつながる時代です。
あなたも、ネットワーク作りの仲間に入って「同志」と一緒にワクワクする人生を過ごしてみませんか。