第4回:Three Sentences. が、PREP と OREO を“使える指導”に変える
OREO and PREP organize ideas.
“Three Sentences.” creates the reason to speak.
(OREO や PREP は「考えを論理を整える設計」。
Three Sentences. は「話し始める理由をつくる設計」)
◆ OREO やPREP を使ったのに、うまくいかないのはなぜか
「PREP で話させようとしたが、黙ってしまう」
「OREO をやらせると、型だけ埋めて内容が薄くなる」
「結局、話すのは英語が得意な生徒だけになる」
現場でよく聞かれる声です。
しかし、それはいきなりOREOやPREPを導入したからであり、 Three Sentences. という「入口」が用意されていなかった、ということなのです。
マンダラ・チャートで連想する練習をしないまま、唐突にマッピングから始め、「うまくいかない」とサジを投げるのと同じ状態です。
◆ OREO と PREP は「出口の設計」
まず、整理しておきたいことがあります。
① PREP と OREO の共通点
OREO も PREP も、
- 考えを整理して伝えるための設計図
- 話す・書く力を伸ばすための枠組み
です。
いずれも、
思考がある程度立ち上がった後に機能する
枠組み(出口・仕上げの場面で使われる設計)です。
◆ PREP とは何か
PREP とは
「Point – Reason – Example – Point」
のことです。
これは、主張を提示し、
理由と具体例で支え、再提示する構造です。
PREP が威力を発揮するのは、たとえば、
- 意見発表
- スピーチ
- ディベート
- プレゼンテーション
- 説明文・意見文の完成
などです。
PREP が有効なのは、
- 主張がすでにある
- 理由もだいたい分かっている
- どう見せれば伝わるかを整理したい
という段階です。
◆ OREO とは何か
OREO とは
「Opinion – Reason – Example – Opinion」のことです。
これは、意見提示型の段落構造です。
特に、中等教育の英作文指導で広く使われています。
OREO が効果的なのは、
- 何となく考えはある
- でもまだ構造化できていない
- 書きながら整理したい
という状態の時です。
◆ なぜ PREP/OREO で止まるのか
問題が起きるのは、冒頭でもご紹介したように、いきなり OREO や PREP をやらせてしまうときです。
すると、生徒はこうなります。
- 何を書けばいいか分からない
- 何を聞けばいいかも分からず黙ってしまう
- とりあえず型だけ埋める
- 内容が空洞化する
これらは、思考が芽生える前に、形から入ったために起きたことです。
Three Sentences. はどこに位置するのか
Three Sentences. の基本構造は、
「Situation – Detail – Thought / Result」
(状況→具体→意味・気づき)です。
ここで求めているのは、
主張でも、完成度でも、正解でもありません。
むしろ、
- まず状況を置く
- 具体を足してみる
- 自分の思いや結果をのせてみる
という、ごく自然な思考の立ち上げです。
これは、マンダラ・チャートの中心にキーワードを置き、連想したことを書き出すのと同じです。
整理ではなく、思考を拡散するためです。
富士山モデルで整理すると
富士山にたとえると、関係は明確です。
- Three Sentences.:登山口・地面
(立ち止まらず、まず歩き出す) - OREO:中腹
(自分の考えをまとめる) - PREP:頂上付近
(見せ方・伝え方を整える)
思考が練り上げられていく順序は、次の絵のように
Three Sentences → OREO → PREP となります。

Three Sentences. OREO, PREPを使う場面は次の通りです。
⑴ 授業の最初/帯学習/新文法/家庭学習 → Three Sentences.
⬇️
⑵ 考えを整理したいとき→ OREO
⬇️
⑶ 発表・ディベート・プレゼン・探究 → PREP
Three Sentences. は、言語活動の「入口」です。
入口を通らずに、いきなり途中から始めてしまうと、できるようにならないだけでなく、生徒たちは「これは必要なことなのか?」と疑問を持つようになり、やがて学習意欲の減退につながります。
Three Sentences. という
思考を立ち上げる「足場」を
最初に用意するからこそ、
次の段階の OREO が意味を持ち、
仕上げの PREP は力を発揮します。
構造は、正しい順序になったときに、
初めて力を発揮します。
Three Sentences.で育つのは、
・文脈で考える力
・立場を言葉にする力
・他者の話を構造として捉える力
です。
そして、これらの力はやがて
他者とつながる力へと姿を変えていきます。
▶️ 第5回の予告
次回は、
Three Sentences. によって育てられた
「文脈で考える力」が、初対面の相手との間で、
どのように協働として立ち上がったのかを紹介します。
教室で積み重ねたThree Sentences.が、
地域を超えたオンライン交流でどう機能したのか。
舞台は2年目を迎えた
福島と東京のオンライン・プロジェクトー
そして、今回は1年生です。
