【中嶋塾@東京2023、地球市民オンライン塾2023終了のお知らせ】

令和5年4月からスタートした「中嶋塾@東京2023」、「地球市民オンライン塾2023」の2つの塾を無事終えることができました。毎月、セミナーや校内研修などの依頼もある中で、2つの塾を運営するのはなかなか大変でしたが、塾生たちの成長は大きな喜びであり、モチベーションに繋がりました。

対面塾では、年に2回、塾生の勤務校(北海道、福島、愛知、千葉、神奈川、埼玉、東京)に足を運び、授業をみて具体的に改善案を示しました。目的と目標を区別すること、1つひとつの授業だけを考えるのではなく、単元全体をストーリーのように繋げること、さらに学習者の考えを大切にすることが最終的に自身の授業改善、「個別最適な学び」と「協働学習」の往還につながるということを伝えました。対面塾の1年間の研修は、次のような内容でした。

オンライン塾の方は7つのグループに分かれ、7人のアドバイザーを中心にグループごとに切磋琢磨しながら、協働学習を行いました。一ヶ月のまとめ(総括)として言語化すること(レポートを書くこと)を習慣にし、メンタリング(よいモデル)を学びの機会とし、何度も推敲をしてもらいました。それを通して、塾生の中に「もっといいものにしたい」というこだわりが生まれました。一過性で「見通し・実践・振り返り」といった流れで評価をするこのではなく、このような往還こそが「主体的に学習に取り組む態度」になるのではないかという声が上がりました。意図したことが伝わったようで、嬉しく思うと同時に、教師が実際に体験することで「観点」も身に付くのだということが再認識されました。これについては、新たに項を設けて解説をする予定です。なお、オンライン塾の研修は次のような内容でに行われました。

1年経って解明された成果と課題について、成果物として卒塾記念冊子『わくわく授業の謎を解く』(私家版)を発行しました。2つの塾の塾生たちが渾身の力で、塾の学び(生徒も教師もわくわくする授業づくりの原理原則)を書きあげました。500冊用意し、大津由紀雄先生、直山木綿子先生、田尻悟郎先生、早川優子先生、他、塾生の方々も自分が今までお世話になった方にお渡ししました。次の写真の左側が「卒塾文集(つながり)」で、右側が記念冊子です。2つは、コインの表と裏の関係になります。

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簡単に、その内容をご紹介しておきます。私の手元に、若干在庫がありますので、関心のある方はご連絡ください。連絡先は nakashima@nakayoh.jp です。制作にかかった費用(500円)とレターパック代(370円)のみでお譲り致します。在庫がなくなり次第、終了となります。(たくさんの希望があり、6月20日現在、すでに在庫がなくなってしまいましたことをお知らせ致します)

次に紹介するのは、対面塾の学習の様子(それぞれの悩みにリレー・ノート形式でアドバイスを書いているところ)です。

自分たちの授業を「学習指導要領」の目標に照らし合わせ、実際にできているところは青色で、怪しいところは赤色で分類しているところです。1時間の授業だけでなく、単元全体を通して見た時に、「あれ?こんなはずでは・・・」という部分が見えてきます。

17時、研修が終了する頃、4階の研修室の窓からは、このような光景(池袋のサンシャイン60や新宿の摩天楼)が見られました。夕焼け空に映える1枚のパノラマ写真を見ているようで1日の疲れが吹っ飛びました。

職員室の人間関係に悩んでいる(相手になかなか言えない、または拒否される)という方が多いようです。ただ、耐えているだけ(待っているだけ)では、何も解決しません。必要なのは、教師も生徒も「元気」になれる(活力がみなぎる)実践に取り組むことです。そこで、塾では「魅力的な出力(書く内容、プレゼンテーション、研究授業)」ができるようになることを目指して研鑽を深めました。セミナーや書籍で学ぶのと異なり、「点」(一過性)で終わらずに、点と点をつなげて波線に、やがて「実線」(習慣)に、そして2つの塾の関わりを作って「面」(原理・原則)を追求しました。

人間の脳は、ポジティブ思考の時(「楽しい」と感じる時)、何かを創造している時に活性化し、ネガティブ思考(つまらない、できない、待ちの姿勢)の時に停滞する(ストレスや疲れを感じる)と言われています。

もし、「待っていれば、いつか機会が来るはず・・」と思っているとしたら、それは大きな勘違いです。今の「出力」が低次なレベル(わくわくしないレベル)なら、周りに良い影響は与えません。そのままの状況が続けば、やがて意欲が衰退し、実践も下降線をたどります。

なかなかできないのは、勇気、やる気、環境という問題ではなく、最初の「グランド・デザイン」がお粗末(行き当たりばったり)なことが原因です。ですから、少しでも早く、仲間と一緒に1年間の計画を丁寧に考え、協力しあって、高次の実践に取り組むべきです。それによって、組織がみるみる変容していきます。

卒塾生から「その後、1年間の学びを活かしています」という報告がどんどん届いています。一部、ご紹介しておきます。

地球市民オンライン塾2023で中嶋先生から受け取ったバトン、そして同志の先生方と1年間繋いできた思いを胸に日々過ごしています。現在、生徒会主任、研究主任、3学年の担任という大きな役割を頂いております。🟠①生徒会活動では、「創る」を柱に活動を行っています。昨年度は教師主導の体育祭でしたが、生徒が体育祭の全体計画から運営の全てを行う生徒主体の体育祭を実現させました。体育祭の練習計画を、本番から逆算してブロックリーダーと生徒会で協働して共同編集をしながら作成し、生徒たち自らで先生方に練習計画を渡しに行きました。運営面においても、すべて生徒に任せ、どうすればよいか生徒自身に気づかせるようにしました。生徒の声や思いが形になった体育祭でした。体育祭を通して、生徒の力や可能性を信じ、任せることが大切だと多くの先生方が実感されていました。「して終わり」ではなく、今回の体育祭を次につなげるために、生徒会で振り返りをし、実際に文書にしています。それを先生方にも共有し、生徒たちの思いを先生方にも届けます。🟠②校内研修では、起承転結に基づいた授業デザインを柱に研究を推進しています。教科に関係なく、生徒がワクワクするのには確かな原理原則あると中嶋先生から学びました。同僚の先生方の授業に実際に足を運んだり、先生方の困り感を対話の中で聞いたりして先生方も前向きに楽しく取り組める研修をしていきます。また、令和型学習指導案を活用した緻密な単元計画、単元計画の中での起承転結も同様に進めているところです。🟠③地区の英語サークルで、インタビューマッピングを実践について6月に発表する予定です。実際の生徒の動画(育った姿を含めた)や思考ツールを活用したノートを提示するだけでなく、先生方同士でも実際にインタビューマッピングをして頂き、先生方の授業実践につなげていきます。今年度に入り、たくさんの貴重な役割を頂く機会が増えました。これを「当たり前」と思わず、常に謙虚な気持ちと感謝の気持ちを大切にしながら自分の役割を全うします。これから中嶋先生やアドバイザーの先生方に恩返しをし、同志の先生方を勇気づけるようなご報告ができるよう頑張ります。そして仲間と一緒に大きな花を咲かせます。🌸

自分のためではなく、生徒のため、同僚のために本気で変えたいという気もちがあるかどうか、何事もそれ次第です。