大変、お待たせいたしました。
ようやく新刊が完成しました。
全208ページ(1ページ 13. 8 円のお得価格)です。
10月刊行の予定でしたが、多くのご要望をいただき、刊行時期が早まりました。
今回は、そのご案内です。
『4つの思考ツールで変わる!英語教師の授業デザイン』
―「広げる・つなげる・深める・更新する」指導で豊かな言語活動を―
編著 中嶋洋一・直山木綿子
今回、この本で一番お伝えしたかったことがあります。
それは、文法や語彙と並行して「考え方」も教えなければならないということです。
子どもたちは、話せないのではありません。
話すことがないのでもありません。
自分の考えを広げ、つなげ、深めながら伝える方法を教わっていないだけです。
つまり、英語を「処理」し、自分の言葉として再構築する経験が足りなかっただけなのです。
ですから、授業の構造を変えると、子どもたちは驚くほど変わります。
『英語教育』2024年10月号では、「階層式マッピングで鍛える『思考・判断・表現』」として、その一部をご紹介しました。
本書は、その内容を全面的に発展させた完全版です。
前著『英語教師の授業デザイン力を高める3つの力―読解力・要約力・編集力―』では、「授業は活動量ではなく、授業設計で決まる」ことをテーマにしました。
おかげさまで、
「授業を見る視点が変わりました。」
「学習指導要領の読み方が変わりました。」
「授業で学級づくりを考えるようになりました。」
「ツァイガルニク効果やナッジを意識して授業を仕組むようになりました。」
という声を数多くいただきました。
本当にありがたく思っています。
一方で、この数年間、全国の学校で授業を拝見しながら、気になることがありました。
多くの先生方が熱心に教科書を教えておられます。
しかし、その一方で、子どもたちの「技能」が十分に育っておらず、
言語活動になるとワークシートやタブレットの英文に頼ってしまう
という授業に数多く出会いました。
原因は、子どもではありません。
教師側の「授業設計」です。
「教科書をどう教えるか」で止まると、教師の説明が増えます。
プリントも増えます。
これは、「(知識中心の)わかった!」で終わる授業です。
問題点は、子どもが自分の力で英語を処理する時間が減ってしまうことです。
その結果、進度が遅れ、
「教科書が終わらない」「話せるようにならない」
という悩みが生まれます。
しかし、これでは「技能」は身につきません。
自転車に乗れた時のように、「技能」が高まれば、
「もっと上手になりたい」という欲が生まれ、
家でも自ら練習をするようになります。
目指すのは、「できた!」で終わる授業です。
自分で選び、自分で判断する学習をしくむと、
教師の説明が減り、ゆとりの時間が生まれ、
自分ごとで考える機会が増え、言語活動が豊かになります。
すると、「させられる」と感じる授業が
「もっとやりたい」という授業に変わります。
本書で提案しているのは、授業をそのような構造に組み替える「設計」です。
子どもたちは、基本文を覚えてから使うのではありません。
基本文を使いながら考え、考えながら使う経験を積み重ねます。
思考ツールを使って、自分の考えを広げ、情報をつなげ、
内容を深めながら整理し、何度も組み替えていきます。
今まで英文をノートへ書いて、暗記していた子どもたちが、
基本文を自在に使ってQ&Aのターンを続けられるようになります。
自分の考えを可視化し、整理と再構築を繰り返すことで、
わずか三か月で、何も見ずに即興でやり取りができるようになります。
プレゼンテーションも、ディベートも、特別な子どもだけのものではありません。
帯活動から単元計画までを一本の流れとして設計し、
4技能5領域の力が育つ経験を積み重ねれば、
子どもたちは着実に変わっていきます。
本書で紹介している4つの思考ツールは、
それぞれ独立した活動ではありません。
話題を広げる「マンダラ・フレックス(可変マンダラ・チャート)」
情報を整理し、関係を見つける「階層式マッピング」
やり取りを通して考えを深める「インタビュー・マッピング」
そして、多様な考えを統合し、自分の考えを更新する「探究コーラル・マップ」
子どもたちは、この4つを行き来しながら、自分の思考を育てていきます。
本書では、この思考往還モデルを通して、
子どもたちが自分で英語を処理する授業をどう設計するかという具体を紹介しています。
それができるようになると、授業は一本のストーリーとしてつながり始めます。
今回も、多くのQRコードを収録しました。
育った子どもたちの姿(何がどこまでできるかという具体)からバックワード・デザインで考える単元計画、最初に単元最後の授業から考えていく学習指導案づくり、授業の背景を詳しく伝えたコラム、さらに実際の授業映像もご覧いただけます。
そこには、暗記をせず、ワークシートも見ずに即興でやり取りを続ける子どもたちの姿があります。
一文で終わっていた発話が、理由や具体例を加えながら豊かになっていく姿があります。
暗記した英文を発表するプレゼンテーションではなく、一人で考え、仲間と練り上げ、再び自分の言葉で語る姿があります。
セミナー等で、その映像をご覧になった先生方から、「ショックでした。教科書しか見ていなかったことを猛省しました。」「あのような子どもたちを自分のクラスでも育てたいです。」という声が数多く寄せられました。
授業力を高める一番の近道は、優れた授業を繰り返し見ることです。
QRコードなら、何度でも止めながら見ることができます。
教師の問い掛け、子どもの反応、授業の流れを繰り返し確認できます。
やがて、学力差とは能力差ではなく、
経験値の差(実際に処理をした回数の差)であることが実感として見えてきます。
前著が「授業を見る目」を育てる本だったとすれば、
本書は、「授業を設計する力」を具体的に育てる本です。
以下が目次です。
類書とは異なり、本書は、4つのテーマを元にした「4部構成」になっています。


二学期は、授業を変える絶好のタイミングです。
今、授業の構造を見直せば、三学期には、何も見ずに英語でやり取りを続けたり、自分の考えを堂々と伝えたりする子どもたちの姿が教室に生まれてきます。
Amazonでは、すでに予約できます。
https://www.amazon.co.jp/dp/4469247073
「子どもたちに、本当のコミュニケーション能力をつけてやりたい。」
「教師が説明する授業から、子どもたちが思考する授業へと転換させたい。」
そう考えておられる先生方にとって、本書が授業づくりのヒントになれば幸いです。
