🍀「苦しくなる」のは、全部を“別々”に見ているから(2/3)

第2回 「バラバラ」に見えるのは、”つながり”で授業を設計していないから

Can-Do・帯活動・評価が一本になる瞬間

「定期テストの作り方がわからない」
「Can-Doが形だけになる」
「帯活動がマンネリ化する」
「パフォーマンス評価が発表会になる」

現場では、
こうした悩みをよく聞きます。

しかし、実は、
これらは別々のことではありません。

すべて、つながっています。

もっと言えば、

“授業全体がつながって見えていないこと”

に本当の原因があります。

「方法探し」が始まると、授業は苦しくなる

今の現場には、「まず方法を知りたい」

という空気があるようです。

帯活動の例、定期テストの例、
パフォーマンス課題の例、
スモールトークのネタ。

確かに具体は必要です。

ただ、サンプルや、how to もの(レンチン教材)

など、目先のことばかり見ていると、授業はどんどん苦しくなります。

なぜなら、それらは“1枚の付箋”に過ぎないからです。

やがて教師の頭の中は、

帯活動、Can-Do、定期テスト、ICT、
ライティング、スモールトークという、
「バラバラの付箋」だらけになります。

そして、それらを一つひとつ別個に処理しよう

とするから、苦しくなるのです。

「思考・判断・表現」が見えないと、評価は崩れる

例えば、パフォーマンス評価。

「発表させればいい」と思った瞬間、
評価は形だけになります。

なぜなら、本来のコミュニケーションには、
“相手”がいるからです。

相手がいて、反応があり、
その場で選び直しが起きます。

つまり、

質問に応じる、聞き返す、

比較して判断する、即興で返す、

そこに、本来の「思考・判断・表現」が生まれてきます。

帯活動は、「毎日やること」ではない

帯活動も同じです。

毎回、基本文、Q&Aだけをやっていると、
やがて、それは“作業”になります。

つまり、力をつけるのではなく、

こなすようになります。

大事なのは、「何を積み上げるか」です。

例えば、一文を足す。
相手のキーワードを拾う。
質問を返す。
90秒つなぐ。
メモなしで言い換える。

そうした「処理をすること」が繰り返されて、

少しずつ「話せる」「書ける」という自信が

育っていきます。

つまり、帯活動は、単独では存在しないのです。

単元末のタスク、パフォーマンス評価、
Can-Doなどとつなげることで、生徒たちも

「何のためにやっているのか」という意義を

感じるようになります。

Can-Do は「一覧表」ではなく、「育ちの地図」

Can-Doも、誤解されやすい部分です。

出すように言われ、

作る(仕上げる)ことが目的になると、
ただの一覧表です。

生徒に渡さないのであれば、

せっかく作っても、使うことはありません。

本来は、「どんな学習者を育てたいか

を共有するためのものです。

それは、教師にとっては「設計図」。

そして、生徒にとっては

今、自分はどこまで来たのか
を見る「地図」なのです。

「教科書を終わらせる」から、「学習者を育てる」へ

ここが見えてくると、
授業の見え方が変わります。

この単元では、
「理由を述べる力」を育てる。

この単元では、
「質問を返す力」を育てる。

この単元では、
「比較しながら話す力」を育てる。

そう考えられるようになると、

帯活動、定期テスト、パフォーマンス評価
Can-Do、自己表現活動などが、
一本につながり始めます。

すると、年間指導計画は、
単なる「進度表」ではなくなります。

どこで、どんな学習者を育てるか

という「設計図」に変わるのです。

本当に必要なのは、「教師の読解力」

学習指導要領を「理解する」とは、

記載されている目標を、

日々の授業でどう具現化するか

を考えることです。

それは、

授業を教科書通りに進めることではなく、

教科書に載っている練習や言語活動が

学習指導要領のどれとつながっているのかを

知り、単元の最初に「どんな力をつけるための

活動であるか」「最後はどうなればいいのか」を

きちんと生徒に伝えられるということです。

繰り返します。

どんな学習者を育てるのか。
どの単元で、何を積み上げるのか。
どこで統合するのか。

そこが見えて初めて、

定期テストも、帯活動も、
Can-Doも、パフォーマンス評価も、

全部が同じ方向を向き始めます。

だから、本当に必要なのは、

“どこかにある、すぐにできる方法”

をあてもなく探し続けることではなく、

授業全体を貫き通す、

骨太の「設計思想」を持つことなのです。

第三回の予告

では、帯活動、Can-Do、

定期テスト、パフォーマンス評価を、

実際にはどの順番で考えればよいのでしょうか。

生徒が育っている授業の学習指導案を拝見すると、

多くの教師は、

「最初のページ」からではなく、

「最後の授業(育った生徒の姿、何がどこまでできるか)」

から逆算して考えていることがわかります。

次回は、

学期末の Project 学習 を起点に、

単元全体をどう逆算して設計するのかについて

考えてみたいと思います。

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この記事を書いた人

英語 "わくわく授業" 研究所 代表(元関西外国語大学教授)
(公財)日本英語検定協会派遣講師・(株)リンク・インタラック エグゼキュティブ・コンサルタント